ちっちゃな種が暮らしいい。

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phase-41「全ては俺の甘えだったのか」

ダブルスタンダードだろキラ! その言葉をお前自身に向けてみろよ!
アスラン…キラキラキラキラって、もういい加減にしろ!
総集編、しかも前半はアスラン視点の、後半はキラ視点の回想。
もうつっこむのも面倒なくらいなので、今日はいつもになく端折ります。


第41話リフレイン。種運命がアスランとキラの物語だと、明確に告知された総集編。


OPが訂正された。
カガリのバック機体がアカツキになっていた…。これから順次この方法で一部ずつ追加されたり訂正されたりしていくのだろうか。…はぁ。
そういえば、レイのバック機体のレジェンドにも書き直しが来ていたような気がする。ドラグーン、宇宙で使ってくれますかね。


「俺がほしかったのは、明確な答えだったのかも知れない」
まあ、まともな話し相手にもならないキラ、公務に追われてばかりで空回りのカガリ、何を考えているか全く不明なラクスよりは、議長の方が明確な答えと目標を示してくれますからね。
人は弱いものだ。信じるに足る強い何かに身を委ねてみたくなる。
自分が為すべき役割がザフトにあるのだと、君は信じようとした。


「戦争を止めるためには戦うほかに道は残されていなかった」
それは言い訳だな。或いは自己欺瞞だ。
戦争はいつかは終わる。どんな形にせよ。ただそれを終わらせるのは戦闘ではなく、政治だ。
先の大戦、終わらせたのは君たちじゃない。カナーバらが出てこなければ、あのまま続く可能性もあり得た。


「俺にはキラが分からなくなった。
キラと俺の道はぶつかり合うはずがない、同じ方向に向かっているはずなんだ。
なのに何故戦う、俺とキラが!」
はいはい、君の頭の中にはもうキラしかないんですな。もういいよ好きにしろよ。
いつまでも君はキラが自分に従うべきだと考えている。


「議長の言葉は何処までも心地よく正しく思えた。
でもその裏にある真意を知ったとき、何もかもが信じられなくなった」
いやアスラン、単に君が人の口車に乗せられやすいだけですから!
別に議長は初めからそういう人だし、そういう世界観のもとに動いていた。ただ君がそれを見ようとしないだけで。議長は初めから真っ黒だし、君を掌の上で転がす手口はなかなかのものだったよ、アスラン。
議長の目指す世界とラクスの目指す世界、だがそこに大きな違いが見出せない。



「脱走したわけじゃない、ただ真実を知りたかっただけだ。
信じられるものがほしかっただけなんだ」
何を脱走と呼ぶかは、立ち位置によって違います。しかしザフトからすれば君の振る舞いは脱走です。
そして君はまた、世界を彷徨う。
何処かに信じられるべき、永遠のシャングリラがあると夢想して。
自分で自分の足元を掘らなければ、そこに泉はないのに、誰かが泉を知っていないかと世界を探して彷徨う。


「アスラン、君は僕に答えられるの?
君が信じるようにデュランダル議長を信じることは、僕にはできない。
だって、戦いのない世界をつくるためだからといって、こんなにも多くの血を流さなきゃならないなんて、どうしても僕には正しいと思えないから」
質問に質問で返すのがキラならば、更にそれに問うてみよう。
多くの血でなければ君は構わぬというのか、キラ。
君が殺した命はどうでもいいというのか、キラ。それは「多くの血」でないから?!
議長が歩む血の道と、多く変わらぬ血の道を歩く君。
君に議長を否定できるだけの何があるというのだ。



「このまま進めば世界はやがて認めぬ者同士が際限なく争うばかりのものとなる。そんなものでよいか、君たちの未来は」
議長が描いた世界はそうではない。議長はある意味、最もラクスに通底していると言えるかも知れぬ。到達の方法がより明確でより過激なだけで。


「君と僕にできるのは確かにただ戦うことだけなのかもしれない。
戦いからは何も生まれないのに。
でも、ラクスやカガリ達は一生懸命未来を切り開こうとしている。
その努力を打ち砕こうとするなんて、許せやしない。
だから僕は、未だ戦っているんだ」
結局キラがseed-destinyで得たものは、ラクスやカガリのために人を殺す、それが自分の立ち位置だということだと、彼は告白している。
それは議長の描く世界のために人を殺すシンやレイと、敢えて言えば議長に誘われてザフトに戻りその剣となっていた頃のアスランと、どれほどの違いがあるというのだろう? 何の差がある?
例えばキラ、君は「一生懸命未来を切り開こうとしている」議長の「努力を打ち砕こう」としている訳だが? それをダブルスタンダードと言わずして何という!
所詮、剣は剣だ。暴力は所詮どこまでいっても暴力だ、それ以上でもそれ以下でもない。
「言葉で、話し合いで分かり合える道を探そうって……………当たれぇーーーーーーっ!!」
……それは何のギャグだ。



次回予告…ムウがMSに乗っている………ああ。もう、溜息しか出ない。
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by gil-mendel | 2005-07-30 20:08 | seed-destiny

phase-40「俺が討てば良かった。優しすぎる、お前は」

議長、どこまでがあんたのシナリオなんだ。もう全てがあんたの掌の上のような気がしてならないよ!
シン、君は解き放たれるべきだ! 怒りから、怨みから、迷いから。
タリア…お怒りはごもっとも。最後に総員退艦させたミネルバで議長に一発喰らわせてやって下さい。期待してます。
エリカさん、その「はいはいはいはい」が大好きだーっ!



第40話「黄金の意志」。最近のサブタイトル、人の見る気を悉く奪い尽くそうとするかのようだ。くっ……。



アバンタイトルはいきなり深夜のジブラルタル基地から。
悪夢に魘されるシン。デストロイを倒そうとして、その搭乗者がステラで、そこに何故かキラが止めに入ってくる。そのコックピットを打ち抜いたと思ったら何故か相手はアスランで、衝撃を受けるシン。
シンにとってのアスランとは何だったんだろうと思う。尊敬から入って次に反発、一度は懐いてそして最後に猛反発、それでも自分の手で殺すことは躊躇われ。
アスランがシンを成長させてくれるものだとばかり思っていたが、そのアスラン自身もミネルバにいる間は常に迷っていて、シンに道を指し示すことはできなかった。
それでも、シンが心を開いた人の一人に入るのだろう。だから殺したと思って悪夢ばかりを見る。

魘されるシンをレイが揺り起こす。…ああ、昔こんな風に悪夢から揺り起こされたことが幾度もあった。その手を思い出す。
「彼らは敵だ。裏切ったんだ、シン」
「!」
「仕方がない」
「分かってるよ! それは分かってるさ! ただ」
「…悪夢はそれか」
「…」
「俺が討てば良かった。優しすぎる、お前は。それは弱さだ。それでは何も守れない」
シンが優しすぎるのにはまあ同意。非情に徹するとかそういうことのできるキャラじゃない。レイが非情すぎる気もするが。
しっかしなあ…こうなると分かっていてシンにアスランを討たせたのではないのかね、レイ?


恐らくは翌朝、ジブラルタル基地にて叙勲が行なわれる。
ネビュラ勲章を受けて嬉しそうなシン。
アーサー、一人だけうっかり手を長く叩いていて慌てて直立不動な顔をしたって無駄無駄。シンとレイに議長がFAITH徽章を渡そうとしたとき普通に驚いてるし。いや本当に、ミネルバの癒しですよアーサー。分かり易すぎ。
レイは既に議長からこの場で渡されると聞いていたらしく、驚きもしないで歩み出る。タリアはややむっとしたようだが顔には出さない様子。しかしその後議長を睨み付けていた。
にしてもこの徽章、何度見てもクルーゼの仮面を思い起こさせるデザインだ。議長がクルーゼのことを考えてこのデザインにしたのかもと思ったり…まさか。
「今その瞬間を裏切ることなく、その力を尽くしてほしいと思ってね」
そう言われて議長を見ながら、何故かシンは一瞬、アスランを思い浮かべる。その連想は…、アスランも同じようなことを言われて同じ徽章を受け取ったのではないかと思うが故か。
「光栄です。ベストを尽くします」
シンの回想を遮るようにレイが言う。それに倣ってシンも、
「俺、ああいえ、自分も頑張ります」
と続ける。
FAITHは評議会に授与する権限があるはずだが実質は議長が恣意的に授与している。外見上何故さほど功績を挙げていないレイに?と疑義が出そうなものだが、まあ議長の胸先三寸の地位ということで皆納得しているのだろう。

先に退出したシンたちを見送り、議長がタリアに声を掛ける。
「君が何も言わないのも怖いなぁ、タリア」
「…失礼しますわ」
口もききたくないくらいのモードのお怒りタリア。だが議長はそれをものともせず立ち去ろうとするタリアに付いていく。粘着質だな。
「シンとレイをFAITHとしたことで、絶対何か一言あると覚悟していたんだがね」
議長の顔は自信満々だ。
彼ら二人をこのタイミングでFAITHにすることの意味は大きい。裏切り者を討った、それを賞賛することを意味するから。当然タリアとしては彼らに、というよりレイに異を唱えにくくなる。脱走者二人を出した艦長としては、立場が悪い。レイはともかくシンまで手駒化するのかと、議長の腹を探りたくもなるというもの。
「何を今更。言いたいことは山ほどありますが、迂闊に言えることでもないので黙っているのです。聞く気がないのなら放っておいていただきたいわ」
「聞く気がないだなんて、そんな」
議長…へたれた顔をして見せるのも対タリアの芝居の一つですな。あんたがへたれ顔をするのは殆どタリアに対してだけだ。
「アスラン・ザラとメイリン・ホーク撃墜の件、私は未だ納得した訳ではありません」
小声だが、彼らが話しているのは廊下で、そしてその先には将校もいればシンたちもいる。議長も艦長も、こんなところでなさるお話とは思えませんがね。
EVを待っていたレイが気付いて、階段でとシンとルナマリアに指し示す。EVを議長らに譲るという意味もあろうがそれ以上に、議長とタリアの話がシンたちの耳にはいることを防ぎたいという思惑もあるだろう。
「分かっているさそれも、だが」
「議長!」
「何だ」
「ロード・ジブリールの所在が分かりました。カーペンタリア情報部からの報告です」
階段を降りかけていたシン達がそれを耳にして驚き立ち止まる。
「カーペンタリアから? で、彼は何処に」
「オーブです」
その一言を聞いたシンが大きく衝撃を受ける。己の母国が、まさか、と。
ヘブンズベースが落ちれば次はオーブというラクスの言葉が早くも実現する訳だ。だがそれが議長の策略でなければ、あまりに都合が良すぎる展開ではないか。ジブリールは別に大西洋連邦に逃げたって良かったのだし、この際スカンジナビアでも良かったはずだ。議長とジブリールが裏で通じている可能性を再度考慮しなければならないか? それともジブリールも議長に動きを読まれているに過ぎないのか?


AAにてキサカの報告を聞く一同。
ジブリールをセイランが迎え入れたと知って動揺する。
オーブ行政府でも同じく動揺。
まあ純粋に、国際的犯罪者とされた亡命者を受け入れることが誤りかというとそうでもあるまい。ジブリールだと思うから腹が立つだけのことで。
ビン・ラディンを受け入れる国が叩かれるのもどうかと思う。それならAAを受け入れたスカンジナビアが叩かれるも同じだろう。
テロとは暴力行使の一つの呼び名に過ぎない。立場が変わればそれは正規軍の戦闘行為であったり、監獄であったり、あるいは駐留軍であったりするだけのことだ。何が正しく見えるかは、その立ち位置によって変わる。何をテロと呼び何を世界の警察と呼ぶかなど、可変的恣意的なものだ。
テロ行為だからAAが正しくないとも思わない。だが所詮は相手と同じ土俵に乗ってしまって暴力行使をすることの愚かさから抜け出せない、それが虚しいと思うだけのことだ。或いは、であるのに正義として描かれることが虚しいと思うだけで。


議長が軍高官らの前でオーブを叩く宣言をする。ついでにミネルバを先に派遣することを通達。…いや無理ですから。てか、シンがオーブ出身だって知ってるでしょうに、議長。
「ミネルバは脚自慢だろう」
無理! てかさ、ミネルバがジブラルタルまで行くのにどれくらい時間がかかったと思ってるんですかあんたは! え? ベルリンには空飛んで行ったろうって? …まあそりゃそうですけどさ。
「オーブはその軍事技術の高さを誇るだけでなく、マスドライバーなどの宇宙への道をも持つ国だ。私はそれが気にかかる。ジブリールがオーブの軍事力をも持って月の連合軍と合流するようなことになれば、プラント本国がまた危機にさらされる可能性も出てくる、ということだ」
成程、そうなる訳ですね。議長、あなた本気でジブリールと組んで一芝居打っているように見えるんですが…違うんですよね? まあ少なくともジブリールの行動は議長の手の内か。寧ろプラント本国が危機に曝されることを、議長、実は望んでやしませんか?
まあ宇宙での戦闘、楽しみにしてますよ。
「オーブはユニウスセブンの件があるまでは友好国として親しくしてきた国だ。それを思うと残念でならないが」
議長…全然残念そうに見えませんから! 少なくともタリアさんはあんたの言葉の裏側にお怒りですから!


オノゴロでは出動命令が出ないことに動揺が走る。
それをAAでも伝え聞き、オーブ兵士も動揺。
マリューさんは修理を急がせるが、如何せん、そうは問屋がおろさない。
「なるべく急いでもらえないかしら。間に合わなかったら話にならないわ」
こういうところを見ていると、AAが守りたいのは世界の何処でもなくただオーブなのだとつくづく思い知らされる。
だから今作のAA乗組員は皆オーブ軍制服着用なのだ。
ヘブンズベースがどうなろうと知ったこっちゃない、彼らにとって唯一オーブだけが真に守らなければならないところなのだ。
だが、そうなら寧ろ、世界をうろうろせずにオーブの中に留まっていろという気もしないではない。モルゲンレーテドックでこれだけの作業をしながらも何ら警戒する様子を見せない彼らは、実はカガリを奉じてオーブから脱出しなくても別にそもそも初めからここにいれば良かったではないのだろうか。
国と人民という存在について、AAは考えさせてくれた。
元首のために民があるのではない、民のために元首があるのだと、民主国家では人は考える。だがAAのいる世界は、少なくともオーブは違う。民のために元首があるのではない、元首のために民があるのだ。だから元首の行くところ正義が行なわれねばならず、民は元首の帰りを待ち侘びねばならぬ。それはすなわち、民を根底から虚仮にする思想だ。
唯一正統な元首だけが我々を救う、AAのいる世界はそういった世界でしかない。…くだらぬ。
反戦? 非戦? 仮にそんなものを謳っていたとしても、その薄っぺらさと人間に対する信頼のなさは、露呈され尽くした。


繰り返しヘブンズベース戦を見ているムウ。その横でアスランが起き上がろうとしている。そこに点滴をつけたメイリンが。
アスランは起きあがれず再び伏す。…何をしようとしているのかね、君は。まさかトイレじゃあるまいし。

セイラン家にはジブリールが来ていて、ウナトと向かい合って座っている。
「奴の支配する世界などにはあなたがたの居場所はない。まあ心配せずとも我らは直ぐに反撃に出る。奴が宇宙に戻り、私が宇宙に上がりレクイエムが流れれば全て終わる。その時勝ち残っていたければ今どうする気かは、聡明なあなたにはよくおわかりだろうな、ウナト・エマ」
えーっと、それが最終決戦に近くなることは分かるんですが、ウナトが聡明かどうかは…いやいや。まあ仮に聡明だったとして、今そこにある危機とどう向かい合うかが彼の政治家としての腕の見せ所だと思うんですが…そんな未来の、勝ち負け不透明なことを出されてもねえ。
レクイエム、ですか。楽しみにさせてもらいますよ、ジブリール。


さて、ユウナの声明。
…どこの政府がそんなに人を小馬鹿にしたような声で声明を読むってんですかねえ。ありえねえから! 人は内容を頭に入れる前に、その声色や語調、姿で8割方判断するんだよ! 冗談でももっと誠実な見せかけが必要なんだってば! 内容よりも語調で反感を買うよね、それじゃ。
ユウナが政治家として駄目だというよりは、こんな声で仮にも国家の声明を読ませた監督が駄目。監督に触れるのが拙いなら、ユウナが対外的にどんなイメージを与えるか計算できなかったウナトが駄目。


これを聞いたカガリは憤る。
「そんな、そんな言葉がこの状況の中彼らに届くと思うのか!」
まああんたといい勝負ですから、カガリ。君の言葉も届かなかっただろうに。似たもの同士、寧ろユウナといっしょになった方がいいんじゃないですかね、君は。

議長もあきれ顔。
「最早どうにもならんようだな。この期に及んでこんな茶番につきあえる訳もない。われらの思いにこのような虚偽をもって応ずるというのなら、私は、正義と切なる平和への願いを持って断固これに立ち向かう。ロード・ジブリールをオーブから引きずり出せ!」
オーブを叩く格好の口実がこうして用意された訳だ。だがどうも、こんな展開さえ議長が仕向けた罠でないかという気がしてならない。
無論、オーブの回答が「ジブリールを即刻引き渡します」というものだったとしても議長はオーブを叩く方法を見つけただろうし、ジブリールがオーブにいなくてもオーブを潰すために議長は全力を注いだだろう。だがこの展開は議長に都合良すぎる。


オーブ沖に展開するザフト軍。セイラン家と国防本部、オーブ行政府をターゲットに据える。
世界の警察国家が散々やってきたやり方と大きくは異ならないな。
MSが多数発進され、セイラン家が攻撃されてもオーブ軍は動かない。それに驚くAA、動揺するカガリ。
オーブ軍国防本部でも命令がないことに動揺。そこへやってきたユウナは輪をかけて動揺している。
ユウナが考えなしなのを露呈し、呆れるオーブ軍幹部達。…こんな人でしたかね、ユウナ? 「国はあなたのおもちゃじゃない!」発言がこうして我が身に返ってこようとは。


カガリはルージュをキラに貸してしまったので、スカイグラスパーで出撃しようとする。
「オーブが再び焼かれようとしているんだ、もう何も待ってなどいられない!」
…ベルリンについてもそれくらい感情的になって欲しかったものですな。
そこへやって来たキサカとエリカ・シモンズ。
「いやだ、このままここで見ているくらいなら、国といっしょにこの身も焼かれた方がマシだ!」
オーブは別に理想の地でも唯一無二の聖地でもない。一応国家元首であった(過去形だな)カガリが熱くなるのは分からぬでもないが、だが見ていて突き放したくなるのを覚える。
オーブだけが特別なのか? オーブだけが世界で唯一守る価値のある国なのか? 否!
結局私たちは、オーブという一つの国の物語につきあわされたのだと思うより他ない。何より腹が立つのは、それがまるで世界平和と繋がっているかのように描かれるからだ。
国家という枠組みと拘束を寧ろ乗り越えるものをAAに期待していた身としては、正直うんざりする。


カガリとアマギはキサカらに連れられて格納庫の前へ。
カガリが拭った埃の下に、ウズミの遺言が。それを読み上げると扉が開く。…音声認識方式なのか?
出たよ出ましたよ金ぴかMS。肩に「暁」と書かれている…いやもうそんなところパクらなくていいから。入口のパネルがやたら埃を被っている割に、MSが全然埃っぽくないのは…入口がフェイクなんだろうな。
ウズミの遺産というアカツキは、2年前から既に存在していたと考えると、どうしてあの時使ってくれなかったのかという疑問が消えないので、恐らくは遺言を元にエリカらがこつこつ作っていたと考える方がよさそう。技術革新が日進月歩の勢いの中で常に最新モードを保つには、常に最上スペックで作り替えていくほかないのだし。…ああ、それにかかった費用は誰の懐から出ているんでしょうかね。ウズミの遺産だとすると、それは国税から流用されているのかウズミの元々の資産なのか。あるいは、実はモルゲンレーテの一部門として常に研究費が費やされてきたか。
ウズミの遺言が流される。
「もしもお前が力を欲する日来たれば、その危急に応えて私はこれを贈ろう。教えられなかったことは多くある。が、お前が学ぼうとさえすれば、それはかならずやお前を愛し、支えてくれる人々から受け取ることができるだろう。故に私はただ一つ、これのみを送る」
親として子に贈ったものがMSでなければ、私はこの言葉を全面的に肯定していただろうと思う。親はいつまでも子を育てていく訳には行かないのだ。だから回りの人たちから常に学び、吸収していってほしい、親が子に遺せるのは本当は、そういう人のつながりなのだ。
MSではなくて。
で、本当に2年前の時点でこのアカツキが存在しなかったと言い切れる根拠は何処にもない訳だが……もしも存在していたら使ったよな?
カガリはアカツキで出撃する。


防衛ラインを突破されて混乱するオーブ国防本部。
「ですからそのご命令は!」
「そんなこと言って、また負けたら貴様のせいだからな!」
うーん、ユウナ。言って良いことと悪いこととがあるとおもいますがね。

カガリはムラサメ隊を率いて国防本部掌握と戦線の建て直しに向かう。
…と書けば聞こえはいいが、要するにザフト来襲に乗じてクーデターを起こしに行く訳だ。
ユウナはさらに醜態を曝し、カガリをカガリと認めたばかりに「国家反逆罪」で逮捕拘束されてしまう。
………国家反逆罪って、オーブには韓国並みの国家保安法か何かがあるんですかね。罪状が適当でも全く検証されることのない罪名とは、酷いものだ。何をしたかが問題ではない、要するに存在そのものが問題だという罪に問う訳だから。
まあ敢えて考えてみよう、ユウナの何が「国家反逆罪」にあたるのか。
1、亡命者を国内に入れ、国家の安全を脅かした。(外乱誘致)
ありそうな気はしますが、そんなこと言ったらAAの存在も脅かされてしまいますからこれはちょっと。
2、プラントとの交渉に際し国家の利害を脅かした。(外乱誘致)
カガリに言われたくない気もしますが、失政の責任を問うという格好はつけられますかね。
3、武装蜂起した。(内乱)
いやいやそれはカガリの方でしょう。
4、カガリの政権を転覆しようとした。(政権転覆)
結婚は両性の合意の元で行なわれる訳で、カガリが同意している限りそれを政権転覆と断言するのは難しい。しかもカガリは消息不明となったのであり、残されたユウナらが政権を握った経緯はカガリに批判できるものでもない。
いずれにしてもこんな適当な罪状をユウナに突きつける辺り、呆れる。
だがもっと呆れるのは、「カガリ様!」と喜び志気を上げるオーブ軍だ。まあ君たちには似合いだよ、専制君主がな!


そこへミネルバが現れる。…どんだけ「脚自慢」なんだよ! 速すぎだろ!
シンとレイ、ルナマリアがパイロットスーツ姿で話し合っている。
「初手から3機出ることもない、俺だけでいいだろう」
機体が飛べるとなると強気だな、レイ。いずれにせよオーブはシンの故郷だ、動揺甚だしいシンを出すよりは自分で撃った方がマシか。
「いや、俺が行く」
「え、だってシン!」
「ああ、やめておけ」
「いや、俺が行く!」
オーブを討つなら、俺が討つ。
シンの思いは悲壮以上のものがある。自分が育った国、オーブ。信じていたその理念、守られず裏切られたという思い、その国があろうことかロゴスを匿っていると知った怒り。大切な妹を、その国のせいで失った、怨み。
あんな国、俺が滅ぼしてやる!とカガリに叫んだ、それが今実現しようとしている。
大切に思っていた、だから裏切られたと思った怒りは激しかったと。
…シンの怨み、怒りを晴らす方法は他にはないのかと、思う。カガリとの対決は、シンを解き放つのだろうか。それとも更にシンの怒りを募らせるだけなのか。
…不安だ。


何故か射出されたのはデスティニー、それに驚くタリアとアーサーの所へレイから通信が入る。…で、何で君はまだMSに乗っていないのかね。
「本人が志願しました。シンはFAITHとしての権限で志願し、私もまた同じ権限でそれを認めました。どうか艦長、ご了承下さい」
この戦闘でシンが使い物にならなくなったらどうする気だね、レイ。
母国を滅ぼすことは、シンにとってダメージが大きすぎる。アスランを殺すことよりも、遙かに辛いだろうに。

そして洋上でシンはカガリと交戦を開始。
そこにEDが被る。
……ああ、この二人も似ているのかも知れないと、思った。


次週は明らかなる総集編。今この時期に総集編をやって、それで本当に最後はまともな終わり方ができるのかよっ!
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by gil-mendel | 2005-07-24 20:14 | seed-destiny

phase-39「皆そうしたくってそう言ってるのに、何でそうならないんだろう」

真っ黒だよキラもラクスも! それに気付かない受け手にも問題はあろうけれど。
「当たれーーーーーーっ!!!」。…キラ、お前にな。自分の彼女を守るためなら何やったって構わないのかね。不殺はどこいったよ。
ラクス、君に一言だけ言っておこう。「強すぎる力は争いを呼ぶ!」。



第39話、天空のキラ。もうサブタイトルからして笑うしかない。
今回という今回は相当げんなりしたので、思わず感想を書くのをさぼりそうでしたが、しかし1週遅れでも書いてみようかと。
「愛するに時があり、憎むに時があり、
戦うに時があり、戦うのを止めるに時がある」コヘレトの言葉第3章8節
まあ、今がそのときではないと思いたいのですが、いい加減うんざりしてきています。この先の展開にも今のところ納得できそうなネタは来ていないし…。


アバンタイトルにいきなりコロニー・メンデル。
CE68年のバイオハザード以降完全に放棄されていた…と思ったら、議長はちゃっかり罠を張ってラクスらを待ちかまえていた訳ですな。だが、データを破棄するならもっと徹底的に行なうべきだと思うんですが、どうですかね。2年前にはまだ空気もあって普通に動いていたのだから、議長が破壊させたのでしょうが。しっかしまあ、議長がメンデル関係者であるときちんと描写されて良かった。
メンデル内を捜索するダコスタ君。そう都合良くノートが見つかるっておかしいんじゃないですか。それとも議長が見つけてほしくて置いておいたとでも?


エターナルでラクスと虎が見通しについて語る。
「オーブは強い国ですから…その力も、理念も」
はあ、そうですっけね。その理念とやらを破壊して回っているのがあなた達のように見えてならないんですが。
「議長は地球、プラントを一つに纏めた新しい世界秩序を作ろうとしているのではないでしょうか。もしかしたら今のこの争乱も総て、そのための土台作りでしかないのかも知れません」
議長の目指すものが仮にそうだとして(まあ恐らくそういうことなのだが)、いったい何の問題が?
ラクスらは「ターミナル」や「ファクトリー」とリンクしており、その組織的背景はきちんと描かれてはいないが相当大きくはある様子。彼らが目指すものもきちんと描かれてはいないが、それが正義だとも限らぬだろう。自分たちが作るものは正しくて、それ以外は誤りだと? 自分たちの持つ暴力は正しくて、それ以外は誤りだと? 自分たちの持つ核は綺麗で、それ以外は汚いと?
そんなことはとっくの昔に論破された言いがかりのはずだ。


それはさておき、そろそろターミナルやファクトリーが何であるか説明されて然るべき時期だと思うのですが。
空白の2年間に世界の様々な結びつきがあったとして、それは決して不思議ではない。
多様なまま自由に繋がり合いつつ必要なときには一致して闘える、そんな組織体を構築することは否定しない。
だが、それも世界を結ぶ、有り体に言えば一つの手段に過ぎぬ。議長の目指すものと彼らの目指すもの、実質は一つの理想のための様々な道程の内の幾つかに過ぎぬ。互いに否定することがあろうとも、いずれも目指す者は一つの理想の一部なのだ。
プラントと地球を包括することが悪なら、ファクトリーやターミナルを作ることも悪だろう。だから議長の為そうとしていることの、最大の問題点はそこではないはずだ。だが、ラクスがそれを議長=悪と決めつけようとしている根拠にするのは違和感がある。
ファクトリーはプラントの地下組織と見なして良いだろう。ストライクフリーダムのOSがザフト様式だったのを見ても、ザフトの相当な機密部分にまでそれは入り込み、また資源も含めて奪っている。これが露見していないのならば、国としてはプラントは実質危機だと言えるだろう。獅子身中の虫というよりも悪い。



ジブリールはオーブへ逃亡。
ヘブンズベースにジブリールがいなかったという報を受けて、シンは「今度見つけたら、絶対俺が踏みつぶしてやる」と発言。ふ、踏みつぶすって…どういう状況を想定しているんだ、シンは。
レイに鼻で笑われているぞ。



修理中のAAにて。
「今の僕には何の力もない…これじゃあ、何も守れない」
そうマリューにこぼすキラは、結局は前作最終話でクルーゼに言った、「力だけが僕の全てじゃない!」を自分で否定してしまっている。
2年間でキラは寧ろ後退してはいないだろうか。フリーダムという暴力を失ったことで見えてくるべきものもあるだろうに、結局は暴力だけがお前の全てなのか。
…ああ、クルーゼは正しかった。情けないことに。クルーゼが聞いたら嗤うだろう。
「もうすぐラクスさんも戻るわ…そしたらきっと、ね」
マリューさんは要するに、ラクスが新しい機体を持って帰って来るまでの辛抱と言いたいようだが、それはキラには暴力しかないと肯定しているに過ぎず。


AA医務室、寝たままのアスランとニュースを見ているムウ、そこへカガリがやってくる。
「死にたいような気分だな…残念ながら、大丈夫みたいだ」
…本気で残念ながら、だな。キラが傷一つなくぴんぴんしているのに比べてアスランがこの有様、ということは、やはり補正の強弱によるものか。…虚しいものだな、人の世など。
「やめろよ、そういうこと言うの。誰も嬉しくないから」
ま、カガリになら弱音も愚痴も出るんでしょう。どっちかというと、アスランの中ではキラよりもカガリの方が戦友っぽい位置づけのようだ。
「ほとんど話したこともないのに、俺甘えて、巻き込んで」
「お前のことを好きなんだろう、きっと。大丈夫だよ、彼女のことは心配するな。ちゃんと私が面倒見るから」
面倒見るってどういうことですか、カガリ。それは食べ物に毒なんか入れないよってことですか? 戦友撤回、結婚後数年経った夫婦のようだ…ある意味怖い。
「それであのう…、私のことは許してくれるか」
「それは俺の方だろう…謝るのは。クレタでキラに言われたことを、俺は」
「私は、結婚しようとした。お前に何も言わずに」
全くな。連絡の一本も入れてやったらよかったじゃんか。行き違う前に言っておくべきことがあったろ? ま、お互い様なんだが。
「守りたかったんだろう、オーブを。…俺は、焦ったのかな。嫌だったんだ、何もできない自分が。カガリは国という責任を負って、毎日死にものぐるいなのに…俺は何もできないどころか、ユニウスセブンがあんな…。何かしたかった、止めたかったんだ本当は。戦争になるのを」
アスランは「女であるカガリが」頑張っているのに何もできない自分というところにずっと拘っていたように思う。男としては沽券に関わるんだろう。くだらんことだが。
カガリのおまけとしてではない、何かができる自分。今作の殆どは、アスランがそういう自分を捜すという自分探しの旅に費やされたと言っても過言ではない。自分は探しに行くものではなく、この場で作るものなのに。
「分かってるよ、それは。でも…、難しいな。皆そうしたくってそう言ってるのに、何でそうならないんだろう」
そうしたい、そう言っている、ただそれだけでは何も変わらない。
そのように行動することだけが、結果を生む。


ダコスタが持って帰ったノートを見るラクスと虎。
原胚発生図やらAT>GCやら遺伝子の組み換え図が記入されている中で、DNAという単語がやたら多くある。高校生の生物のノートっぽいんですが、本当にそんなのが証拠として成り立つんですかね、ラクスよ。
寿命曲線の上に鼠や兎や蝙蝠や馬や人間がいるんだが、その140歳くらい生きるところに記されている単語は…それは何だ? デスティニープランの文字で隠されて読みにくい。だが、もしこれがデスティニープランなら、随分長生きできる計画なわけだ(笑)。クローン体も長生きできるならいいのですがね。
destiny planという議長の計画、それが指し示すのは何か。やはり「己ができること、己のすべきこと、それは己が一番よく知っているのだから」が示す、DNAで全てが決まる世界なのか?
「デュランダルの言うデスティニープランは、一見今の時代有益に思える。
だが我々は忘れてはならない。人は世界のために生きるのではない、人が生きる場所、それが世界だということを」
世界のために一度でも生きたことのない人間に、ただの言い訳を与えるだけのような言葉だ。だが多分、この言葉は後々議長を追い詰めるのだろう。
人は世界のために、それはすなわち他人のために、もう少し努力をしてもいいような気がする。



ザフトに発見されるエターナル。というより、偽装を排除して飛び出ていく。ファクトリーの対応する時間を稼ぐ、というのだから、ファクトリーも今後打って出るということか? まさか。
「勝ちたい訳ではありません、守りたいのです」
ファフナーだと「行こう、そして還ってこよう!」「君たちが還るべき場所に、我々がいる」という言葉が深く響いたのに、何故ラクスが語る言葉は欠片も重みを持たないのだろう。
…必ず彼らだけは勝ち残り、必ず彼らだけが正義で、必ず彼らだけがこの世界で忽せにされぬと、知っているからだ。
勝ちたい訳ではない、そう言うならその暴力は何だ。今降ろそうとしているその2機は何だ。
勝ちたい訳ではない、そう言うなら何故キラもアスランも死ぬことがないのだ。
虚しく死んでいき描写も省かれる軽い死と、決して死なず常に正義である特別な生。
その差に、絶望する。


アスランは多分、エターナルの現存も知らされていなかったんではないかと思う。…常に蚊帳の外なのか、君は。まあAAへの連絡方法も知らされていなかったぐらいだし、ザフトに寝返る可能性の高い人物としてキラやラクスにマークされていたとしか思えない。…不憫だ。
だがエターナルと聞いて、ラクスを思い出すアスラン。「彼女を失ったら全て終わり」とは、議長の計画の矛盾点を衝ける存在がミーアとラクスの二重だからだろう。というより、目に見えて議長がおかしいと批判できる点がそれくらいしかないからでは。
…で、ムウよ。まだネオとしての記憶が残ってるなら、ブリッジに通信を開く暇があったら連合軍に連絡取ってみろよ。ファントムペインが無駄死にだな! 何が「た・い・さ!」だよ、大佐らしいこと何もしてないだろうが!
アスランも、礼を言ってから相手がかつて溶けて死んだはずの人間だと思い出す。…いやもう、どっちでもないから。我々の知っているムウはあの時本当に死んだ、もうそれでいいじゃないか。



キラはカガリのルージュを借りて宇宙へ。
…いや、あの、普通それがどこから飛び立ったかくらいザフトも監視していると思うんですが。オーブをザフトに攻撃されるネタを提供しているのはキラ、あんたじゃないかと。
無論都合良くザフトはそれを発見しない…そんなご都合主義なんかいらねーんだよ!

一方虎はガイアで出撃。
…待て! それはステラのだぞ! 返せ! てか、いつパクったんだ…。
ガイアをミネルバから運び出すシーンがあったが、あれがそのままエターナルに行っていたのかと思うと、ザフトはもう終わりだと考えて然るべき。崩壊しすぎですよザフト。



以下は省略する。
私が見たいのは恒久無限の正義でも、常勝不敗の衝撃自由でもない。
2分で25機の撃墜も、ただの機体性能としか考えられない。たかがそれだけのことだ。人間としての努力も強さもない、そんなものは見ていて爽快感も何もない。



「これでまた、僕は戦える」
そう所詮、暴力無くして君は立てない。
最高の装備を持たなければ君は戦えない。(ルージュじゃぼこぼこにされるだけ。それは真に強いと言えるのか?)
暴力がなければ何も出来ない、だから暴力をと願うのは、同じ過ちの輪に落ちていることを意味する。
守る力を「綺麗な」暴力と結びつけたい愚かさは、結局のところ何も解決しない。



最後にもう一度、旧約聖書からコヘレトの言葉を借りよう。
「私は改めて、太陽の下に行なわれる全ての虐げを見た。
見よ、虐げられる人の涙を。
  彼らを慰める者はない。
見よ、虐げる者の手にある力を。
  彼らを慰める者はない。
既に死んだ人を、幸いだと言おう。更に生きていかなければならない人よりは幸いだ。いや、その両者よりも幸福なのは、生まれてこなかった者だ。太陽の下に起こる悪い業を見ていないのだから。」 コヘレトの言葉4章1節~3節
最初から見ていなかった人は幸いだ。見ることを止めた人はその次に幸いだ。
だが私は、生きている以上生きていくのと同じく、この先を見続けていくのだと思う。生きているから。
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by gil-mendel | 2005-07-24 06:55 | seed-destiny

我らは選び、ただ辿る。

そんなこんなで、月曜までちょっと留守にします。種運命の感想を書くのは月曜日以後になると思われます。旅先では明らかに見られないことは決定しているので、折角メンデルという単語が出る回を見逃したくはないのですが…諦めて録画にします。まあ常に録画してるんですがね。
3期OPの答え合わせなどしておきたかったのですが、やり始めると虚しくなるような気がして、また次の機会にします。壮大な釣りだったと思うより他ないのか。
ではでは。
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by gil-mendel | 2005-07-15 18:53 | daily

第4期ED「僕が選んだ今を生きたい それだけ」

第4期EDは、See-Sawの「君は僕に似ている」に乗せて送られる。
…あれ? 聴いたことある。これは、29話のBGMでは?
そう、アスランがキラにトリィを金網越しに渡す辺りから、トールの死、アスランとキラの対決、幼いレイを連れたラウの幻が議長に語りかけ、「道は常に幾つも前にあり、我らは選び、ただ辿る。君たちはその先に願ったものがあると信じて、そして私は、やはりないのだと、また知るために」と突きつけるあたり、タリアと議長の別れにかけて流れた曲だ。
あの時心惹かれたのを覚えている。うん、切なくていいんじゃないかな。歌詞もいいですな。心を打つよ。




蒼い月から蒼い地球の大写しを背景に、斜めに流れていく一枚の絵…そうですかそう来ましたか。
一番最後に唖然とさせられたのを除けばまあいいEDじゃないかと。


まずは人を追っていこう。
最初にレイ。彼は常に一人でいる立ち位置なんだろう。見上げる視線の先に、議長がいるのではないかと思う。
次に大きくシン。幸せそうな笑顔で、左手を大きく空へ伸ばしている。その先にあるのは何だろう?
シンの少し後方にルナマリア。彼女は上空ではなくシンを見て少し笑っている。手を取り合っていないのがやや気がかりだが。
ルナマリアのさらに向かって右後方に、格好をつけたハイネ。うん、君はその立ち方がよく似合う。
それよりやや下にイザークとディアッカ。イザークはシンの方へ走ってこようとしているかのよう。ディアッカは少し驚いたように上空を見上げている。
次にタリアと議長。タリアは議長の胸目掛けて飛び込んできそうな感じで、議長はその手を取って引いているよう。絵になりますな。彼らの視線も上空にはない。
彼らの左後方でタリアを見つめているのはアーサー。…アーサーよ、言いたいことがあったら言っておけ。ザフト組はここまで。
議長の右かなり後方に虎とダコスタ。よかった、虎がいたよ。
手前にマリューとムウ(ネオ)、この二人も手を取り合って、ムウが上空を見つめ拳を握って何か言いたげで、マリューは少し笑って目を閉じているように見える。幸せそうだ。…結局幸せであれば何でもいいのかも知れないな。
右下に極小さくチャンドラ、そしてミリアリア。扱い小さすぎやしませんか。ノイマンはどこさ。
AA乗務員の間に画面奥から飛び込んでくるような、ステラとアウル、スティング。ステラの顔が幸せそうなのが、辛い。
その横にメイリン。少し成長しているように見えるのは何故だろう。
さらに右手前、忍者服で左手を差し伸べ上空を見上げるラクス、その左後方で小さくほぼ同じポーズを取るミーア。ラクスよりもミーアに心打たれる。
そのラクスの上空にカガリが一人で空を飛ぶ。
カガリとラクスの視線の先、そこには、キラとアスランが肩を組んで笑っている。キラの顔は幸せそうで、アスランも同じようだ。
…放映を見たときには余りのことに開いた口がふさがらなかったが…、結局この物語が描きたいのはキラとアスランという二つの光でしかないのだろうか。
歌はキラとシンをイメージしてつくられたものだと聞いただけに、確かに歌詞を聴くとそうとも取れるだけに、EDの終わり方に唖然茫然。…いやもういいよ。好きにやってくれ。そういう話として見ればいいんだろ。好きなようにこっちで補完しますよ。


さて、機体の順番だが…レイとキラの後ろにデスティニー、ルナマリアの横にインパルス、ルナマリア頭上にレジェンドが来ている。これは、彼らのこれ以上の乗り換えはなしと見るべきか。
ハイネの後ろにはハイネ専用グフイグナイテッド。まあ妥当か。
イザークとディアッカの後ろには、ディアッカのザクがあるのは分かるが、もう一機の白いザクみたいのはイザークの乗り換え機か? ううむ…。
タリアと議長の後ろにはミネルバ。
次、マリューとムウの後方で虎とダコスタの頭上にはアカツキ。位置的にムウが乗るのかと思ったがどうなんだろう。
ミリアリアとチャンドラの後ろにAA。動かす人は中にいるってことですかね?
飛んでくるステラの後ろには同じような体勢をしたデストロイ。ステラが飛んでくるのはいいがデストロイが飛び込んでくるのはちょっと。
ラクスの足元にはドム。後方にはエターナル。今最もロゴスに近い人ですよ!(武器製造しすぎ)
キラの後ろにはインフィニットジャスティスが、アスランの後ろにはストライクフリーダムが、それぞれを見守るようにあって。
よ、よかった…MSまで肩抱き合ってなくて、本当に良かった…。



ED、3クールのED絵でこのまま最後まで行ってもおかしくなかっただけに、皆の幸せそうな顔があったことにとりあえずはほっとしたいと思う。
手を取り合い肩を抱き合う、その全てが最後までそのままではないと思うけれども。
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by gil-mendel | 2005-07-10 11:13 | seed-destiny

第4期OP「どんなペシミストも 恋をして変わる」

人はいつしか慣れるのだろうか、このOPにも? 主人公とはあくまでも前作主人公sであると宣告され、ガンダムとしてはやたら違和感のあるこのOPにも、いつしか人は慣れていくのだろうか?



・OPに合う曲とは何か?
今回は流石に触れない訳には行かないだろう。ケミストリーのWings of Words、思わず唖然としてしまった。事前に聴いて耐性をつけておくべきだったと後悔。
歌そのものは嫌いじゃないが、歌の明るさ及びテンポと画像が著しく乖離している。ケミストリーにとってもdestinyにとっても良い結果は産まないのではなかろうか。
歌詞といろいろ合わせようとした苦労は認めるのだが…。以下検証。


・タイトルバックにいるのが主人公なのか!
「空は飛べないけど 翼ならあるのさ」
OP入りは宇宙のエターナル、そしてやや引いてミーティアつきのストライクフリーダムにインフィニットジャスティス、そしてAA。背景にプラントがある。
これらを背景に、キラとアスランが背中合わせで大写しに。キラはオーブ軍服、アスランはザフトレッドのまま。…いや他のカットでオーブ軍服を着ているのに何故ここでザフトレッドよ? また戻るのかザフトに?
次にシンが大写しに。全裸で両手を広げ、目を閉じてデスティニーと一体化、カメラが大きく引いたところでデスティニーから放たれる、翼と羽根のイメージ。「翼ならあるのさ」に合わせたと見られる。
ストライクフリーダムが二丁拳銃状態でグフを撃ち落とし、集中砲火をかいくぐって前面に飛び出してきて地球を背景にポーズを取ってタイトルバックとなる、このカットは3クールと同じ。
空が飛べない翼はシンのことのよう。デスティニーが宇宙は飛べないとかそういう意味ではなく、彼には足りないもの、多く持ちすぎているものがともにあるという意味で。
それにしても…せめて最終クールくらいシンにタイトルバックを渡してやってほしかった。名前だけの主人公なんて、やってられるか!


・アウシュヴィッツにて
「慰めながら 不謹慎だけど」
ミネルバ組集合写真は相変わらず背景が暗い。だがその背景、今回は何故か夜明け前のロドニアラボじゃないか! 呆気にとられて思わず25話見直しちまったよ! 明らかにロドニアだ…何故だ何故なんだ。
何より、ミネルバ組なのにミネルバが映ってないぞ! 沈むのか?
左端からインパルスとデスティニーとレジェンドをやや遠景に、手前にやや空を見上げ膝を抱えて座り込むパイロットスーツ姿のルナマリア。その少し後ろに立つシンもパイロットスーツ着用で、胸にはフェイスバッジがある。表情はルナマリアの方をやや見ている感じか。
MSの直ぐ後ろにはロドニアラボの入口の門が。ぱっくりと口を開けた門に向かって延びる鉄路の直ぐ左に、タリアが半分以上ラボの方を向いて後ろ姿で立っている。顔は僅かしか見えない。
タリアのすぐ右にアーサー、彼は鉄路の上に立ってはいるが、ほぼ正面を向いている。目線はルナマリアにあるのか。
彼らよりも後方にヴィーノらが。ヴィーノはラボに向かってゆっくり歩いていこうとしているようだ。
そして一番手前、鉄路の上にレイ。パイロットスーツ着用で胸にはフェイスのバッジが、ラボを振り返っているようだ。
さて何故彼らの背景がロドニアラボなのか? アウシュヴィッツに酷似しているロドニアラボだが、彼らの道がアウシュヴィッツ同様「民族浄化」にあるという意味なのか。まさか。ロドニアラボは連合軍のもの。…と考えたが、実はコーディネイターもこの施設に深い関わりがあるという示唆なのか。…………全く見当も付かない。それともあの門は、死以外に自由になれない門として、彼らを呼んでいるのか。謎は尽きない。


・変わらずに明るい人々
「泣いてる顔も綺麗で焦るよ」
こちらは腹が立つほどに明るいAA組。
左からムラサメ2機、アカツキ(多分)を背景に、マリューとムウが共に並ぶ。ムウはオーブ軍服を腕まくりなぞして、すっかり記憶を取り戻しているかのようだ。彼ら二人の後ろにミリアリアが小さく。そしてラクス、彼女の服は例のドレス。前を見つめ、迷いがない。
近景に大きく、キラとカガリが背中合わせで座っている。キラはパイロットスーツで遠くを見ている。カガリは3期EDのドレス姿で空を見上げる。…可愛いな。
この二人の後方に、ストライクフリーダムとインフィニットジャスティスが。そしてカガリの後方にアスラン、パイロットスーツを着ている。流石にもうフェイスバッジはなく、オーブ仕様のスーツだ。
時間帯は恐らく朝、日が昇って少し経った頃の明るさ。いわゆる暁な時間帯。
泣いてる顔とはカガリなのかなと、この場面でふと思う。
そしてどうも、砂漠の虎が機体ごと見あたらないことに気付く。…大丈夫か、虎?


・人は皆夢旅人
「くじけず夢を見ることは」
ここから機体と搭乗者。
まずはキラとストライクフリーダム…いやもう誰が主人公なんですか。そこはシンに譲っとけ! キラはオーブ軍服で手に銃はなく、少し上を見ている。
お次はアスランとインフィニットジャスティス…アスランもオーブ軍服で、腰に手を当てて立ち位置としてはキラを見ているようだ。二人ともやや幼く見えるのは何故だろう。
彼らこそ挫けず、夢を見る者たちということか…。


・必ず倒す! 必ずな!
「自分と戦ってること」
カガリとストライクルージュ。銃を構えるカガリ。ええと、まだ乗るんでしたっけね、ルージュに? ベルリン戦での使い回しだからここは今後変わるかもな。
レイとレジェンド。レイは明らかに銃口がこっちに向いてるんですが! 撃ってるよこの人! レジェンドは宇宙での戦闘シーン、額に僅かにSPESN…という文字が見えるような気がするがいかんせん画像が暗すぎ。
何故この二人の組み合わせか分からないが、まあ前と後ろ両方から余った人たち、なのか、最も戦闘的な人たちなのか。…前者だな前者。
ある意味最も自分と戦っている人たちなのかも知れない。


・翻弄され、傷つけられ、傷つけて
「日ごとに増えるすり傷を」
ルナマリアとインパルス。ルナマリアは銃を片手に走っている。
シンとデスティニー。シンは片手にライフルを持って大声で叫んでいるよう。
彼ら二人は確かに傷だらけだ。彼らの傷が癒される日は来るのだろうか。


・まず決める、そしてやり遂げる
「自慢してもいいくらいさ」
忍者服ラクスとミーティア、彼女は本当に誇らしげで、何の躊躇もなく歌う。
そしてストライクフリーダムのハイマットフルバースト。
…吹っ切れすぎてうんざりな人々。


・最終決戦は君と
「空は飛べないけど」
光の羽を広げたデスティニーが巨大なデストロイに向かって飛んでいく。前OPそのままかと思えば、シンと対峙するのはレイ。シンはやや哀しげな目つきで、赤服にフェイスバッジをつけてレイを見る横顔。対するレイはシンを無表情に睨んでいる、その胸元にはやはりフェイスバッジが。
レイの背後、やや頭上に小さくレジェンド。
最後は彼らの対決となるのだろうか。今までこのカットがMS対決を表わしていただけに、やはりシンとレイとの決戦があるのではと思わせる。


・もうお決まり
「翼ならあげよう」
ストライクフリーダムを前に裸で見つめ合い手を取り合うキラとラクス。もう好きにしてください。
その次に廃墟で歌うラクスとミーア。このカットが残ったことに、二人の共闘がもしかしたらあるのかも知れないと思う。


・増えた!
「それはもう一人じゃないと」
3期OPで海の傍に立つAA搭乗員とAAのカットがあったが、あれにムウがマリューの隣に加わったカット。ムウは相変わらず袖まくりして手を組んでいる。…まあ髪ぐらい切れよと。
キラにラクスが微笑みかける。
その次、カガリがMSの傍で振り返るシーンの機体が金色のメカ百式に! …ではないわ、噂のアカツキに! ウズミよ、あんた何つう趣味だ。これが遺産か! 困ったときに高く売って金にしろとでも? それにしてもアスラン(=暁)とか「暁の車」とかオーブ(=暁)とか、暁多すぎ。
さらに、戦場カメラマンをしているミリアリア。基本スタンスはAAではなくカメラマンの側にあるんだろうな、彼女は。
次、ドムトルーパーと新キャラたち。眼帯してるおねえさんにおっさん二人。味があることを祈りましょうかねえ。しかし、4期にしかでてこないキャラとは…。


・まだそれか!
「君の孤独はがす言葉」
もうこのカットはなくなるものだと思っていたよ…下着姿のカガリ、それを置いて歩んでいくザフトパイロットスーツのアスラン、それを見守るキサカのカット、まだあるのか。
てことは、最終的にはアスランはプラントに帰るってことですかね。OPトップでも赤服着てたしなあ…どうなるのやら。
もう一つ未だそれかなのが、キラとアスラン、シンが夕暮れの廃墟でそれぞれ視線を合わせず俯くカット。これは第1期のOPだろ? 戦後の彼らとでもいいたいのかね?


・恋の始まりと終わりが変えるもの
「どんなペシミストも 恋をして変わる」
いやその歌詞に議長とタリア、シンとルナマリアってどういうことですか!
議長のアップから全身像へ、風が吹く夕暮れの背景に浮かぶのはバストアップの裸なタリア。
議長…あまりに爽やか青春しすぎ。まだメンデルカットでにやりとしてる方が議長らしい。ペシミストとは今の議長に似合わぬ言葉だが、タリアとの恋と別れを経て議長が変わったということか。まあ変わったんだろうな、29話を見る限り。
デスティニーをバックに裸で背中合わせのシンとルナ。えーと…シンルナ確定ってことでいいんですか。ステラ、結構好きだったんですが。まあ生身で情が通って意志の疎通がきちんとできて、という相手ではあるか。
その次に一瞬ずつ挿入されるカット。
まず議長とタリアの別れのシーン、握手する二人。
そしてシンがステラを看取るシーン。ステラの手を握るシン、微笑むステラ。
いずれも別離のシーンだ。彼らが変わった同じ方向とは、世界を変え戦争を無くすというもの。
深い、意外に深いぞ!
…と思ったらその次にアスラン女難シーンが残っていた。いらんだろそれ。


・走る走る俺たち
「選んだ道がもし行き止まりならそこで」
3期OPの背景をバックに走るシン。背景は例の、シン→アスラン→マリュー→ムウ(ネオ)→レイ→ステラ→ラクス→キラ。
キラまで来たところでシンが立ち止まってアップに。胸元にはフェイスバッジ。


・前作ラストか!
「迷えばいい」
トリィが地球に向かって飛んでいく。残骸が漂うそこに現れたのは左からインフィニットジャスティス、ストライクフリーダム、デスティニー。それを背景にアスラン、キラ、シン。
…そうですかキラが真ん中ですかそうですか。しかもシンがやや上目遣いのうつむき加減なのに対してキラは真っ直ぐこちらを見つめ、アスランハヤや上方を見上げる。明らかにシンの扱いが悪いんですけど!
もう「迷う」ラストは要らねえんだよ全くよ! トリィ落ちも要らねえの! …なんか嫌な予感が全面に漂うOPだなあ。4期が思いやられるわ。



何度も見直しているうちに、もしかしたらそのうちに慣れるんじゃないかという気もしてきたOP。…慣れとはかくも恐ろしいものか。
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by gil-mendel | 2005-07-10 08:54 | seed-destiny

phase-38「僕たちはまた話せる、いつでも」

何だ今回の話は! 最もまともなのがロゴスか! もうロゴス=AAで終わっとけ!
ていうか何だこの第4クールOPは!! 主人公キラかよ全くよ!!!!!!! いい加減タイトルバックくらい返しやがれ! …てか、そういうレベルじゃ語れないくらいにシンの影が薄いよ…。ミネルバメンバーの集合カット、背景が何故ロドニアラボなんだ!
…まあOPについては別途語るとして、取り敢えず感想を。今回は比較的かなり短いです。



第38話「新しき旗」。議長の、ロゴスの、だが何よりも、AAの。




ヘブンズベースでは回答期限を待たずして迎撃準備を着々と進めている。
守りきれるのか?と問われてジブリールが答える。膝の上にはちゃんと猫が。よかった連れてきてたよ!
「守る? は! 何を仰っているのですか。我々は攻めるのですよ、奴らを、今日ここから!
我々を討てば戦争は終わり平和な世界になる?
は! そんな言葉に易々と騙されるほど愚かです、確かに民衆は。
だが、だからこそわれわれが何としても奴を討たなければならない。
本当に取り返しのつかないことになる前に、
この世界が奴とコーディネイター共のものになる前にです!」
ジブリールまともだな。…そんなはずはないのだが、今最もAAと通じていそうな面子だ。「本当に取り返しのつかないことになる前に」あたり、つくづくそう思う。
実はAAのバックにはロゴスがいました…とかやってくれませんかね、脚本家。
「正義の味方や神のような人間などいるはずもないということを我々は知っていますがねえ」
…ロゴスのおっさんよ、恐らくはアズラエル父よ、それをAAに言ってやってくれよ。


所変わってミネルバ。
一人ロッカールームにいるレイとは別に、シンとルナが喋っている。…ものは考えようですかね。ルナマリアの考え方は、まあ絶対に分からないと言う訳じゃないが、そういう風に合理化しなければやっていけないときもあるとは思うんだが…、それで本当に良いんですかね。
「でもあいつらが、ロゴスが狂わせたんでしょ、アスランもメイリンも」
どこをどうやったらそういう結論に辿り着けるかさっぱり分からん。分からないもの、認めたくないものと向き合わないために、人間は時に、論理を無視する。
「ずるいのよアスランったら…皆裏切られたわ。私も莫迦よ…でも、負けないから」
口走っているだけの言葉は、理由を知らされずに脱走された側が自己を保つだけの、哀しいもので。
もう他に寄る辺のないルナマリアはシンの髪を撫でる。置いて行かれた者たちがくっつくのに、大した理由付けはなく。
シンとルナマリアは抱き合い、口づける。辛い心を紛らわすのに、ありがちな。
「…ごめん」
「ううん」
「大丈夫」
「え」
「インパルスは絶対、俺が守るから」
「シン…」
シンが守ると言ったモノ、それは守れない結果に終わるのかことごとく? この先のルナマリアがいきなり心配になった訳だが。



戦端はヘブンズベース側の手で開かれた。
…スティング普通にいるんだが。ひっそり死んでましたではなかった訳か。まあそれはそれでいいんだが…。
開戦の様子は世界中に中継される。


そんな最中、キサカの手によってAAへ連れてこられていたアスランが目を覚ます。
どうでもいいがキサカがあっさりオーブ軍服を着ていたのには笑った。戻らなくていいのかね東アジアへ? 話がややこしくなるんじゃないか?
アスランは重傷のように見えないのだがどうもかなり重傷らしく、ほとんど喋ることはできない。そのアスランが目を覚ましたときに傍にいたのは、お約束のように、キラだ。…いやそこはカガリに譲れよ。
「お前、死んだ…」
いや待て。先週「きっとキラも(死んではいない)」と言ったのは何だ? ていうか殆ど死んでいたのはあんたの方ですから!
「大丈夫だよ、アスラン。君、ちゃんと生きてるって」
ああ残念ながらな! あんたもな!


さてヘブンズベースには量産型デストロイが5機。アーサーが「ええええええええっ! あれが、5機!」と相変わらずの驚きぶり。頼むから艦長席に座ってまで驚くのはやめてくれないかね。
議長も驚き顔。よかった、たまには驚いてくれて。この情報は得ていなかったということなのか、それともこれも芝居なのか。

さらに対空掃射砲ニーベルングをヘブンズベースは用意していた。勿論ザフトの降下部隊対策として。
展開させた降下部隊は総て消滅させられる。壊滅じゃなくて消滅ですよ消滅。
議長は、だがニーベルング情報を得ていなかったかどうかも実は微妙だな。
シンが「早く発進を!」と急かしてタリアが躊躇し議長が許可。シンのデスティニーとレイのレジェンド、ルナマリアのインパルスが発進していく。
タリアが躊躇う理由、それは今出ていったら彼らも落とされるという思いからか、それとも。


テレビで高みの観戦をしているオーブのユウナら。
現代の戦争はそう、こうして遠くで起っている限り、我々は唯の観戦者としてTVの前でのんびりしていられる。明日は我が身とも知らないで。
「万一これを失ってもまだ月があるんだよねぇ、連合には」
そうか月で最終決戦か?


ルナマリアが撃たれそうになったのをシールドでシンが防ぐ。
「迂闊だルナマリア! 飛んでいるんだから下からも撃たれるぞ!」
すみません飛んだの久し振りなんです。許してやって下され。ザクは地上では砲台代わりだったもので。

「お前達は、お前達もっ!」
シンはデストロイに搭乗しているのはエクステンデッドだと考える。だがそのあとがおかしい。
「ちくしょおおっ! こんなことをする、こんなことをする奴はぁ、ロゴス! 許すもんかぁーーっ!! お前たちなんかいるから、世界はあ!」
待てシン。「お前達なんか」と言いながら何故デストロイに斬りかかるよ。その行動と併せると「エクステンデッドがいるから」としか聞こえないぞ。
エクステンデッドに同情してはいるが、それも敵として立ち現れる以上、結局は倒すしかない。シンに、敵を倒す以外の選択肢は、まだないのだ。

種割れしたシンがデストロイ1機を倒し、アーサーが無責任に「凄い、これはまた凄いですよ、シン!」と喜ぶ。いや君は喜んだりしている暇があったら戦局の打開を考えなさいと。一応艦長席に座らせてもらってるんだから。
「彼らも頑張ってくれている。この間に陣容を立て直すのだ」
デストロイに焼き払われた艦船は相当量あったと思うのですが、あれはほぼ地球軍有志だったんですかね? 割とへっちゃらな感じのする議長が怖い。焼き払わせるのまで計算尽く…なんてことだったりしたら尊敬します。
レイが1つを破壊、それを見たシンはルナマリアにソード換装させてエクスカリバーをルナマリアとレイにともども使わせ、二人で1つを撃墜。
量産型は初号機よりも劣るのか。
「やるなルナマリア、大したものじゃないか」
「忘れてた? あたしも赤なのよ」
…忘れてました。そうでしたねあんた赤でしたね! 盗聴とかに特化してるのかと思ってましたよ。射撃が苦手ならソードで、か。正しくはあるかな。
そしてシンもスティングの乗るデストロイを撃破。
「…俺はっ!」と叫んで散るスティングが気の毒だ。復活したと思ったら一瞬ですか、去るのは。


ジブリールは形勢不利と見て、他のロゴス連中を置いてとっとと逃げる。
それに気付くのが遅れた周囲はデストロイが討たれたことと併せて動揺、白旗を掲げる。
相当程度にデストロイ頼みだった訳ですが、ベルリンでデストロイ(初号機)は既に破れているので、かなり作戦的には無理があったといえようか。初めから見えていた結果だと思うのですがねえ。ニーベルングはそれなりに良かったと思うが。




カガリがアスランの頬を拭う。その指に贈った指輪が嵌っているのを知り、一瞬アスランの目が大きくなる。泣き出すカガリ。
「カガリ…キラも…だから、時間が…議長…それを、知って」
途切れ途切れに何かを言いたげなアスラン。それをキラが遮る。
「アスラン、もういい。今は喋らないで。いいから少し眠って。
僕たちはまた話せる、いつでも」
今までは話せなかった。最初はキラにその用意がなく、次にはアスランにその気持ちがなく、すれ違ってきた彼らが、漸く共に話せる舞台まで来た。
共に語ることができる、それは何よりも大切なことだ。
「言葉が聞こえないのか」(カガリ)、「私の声は届いていただろう?」(議長)。「敵とは何か」に並ぶ今作のテーマは「対話」だろう。(つい、「対話」とくると「ミール」と言いたくなる…)
声を届かせることと対話とは次元が大きく異なる。声が届かなくては対話は成り立たないが、片方の声だけが届いていては対話にならない。一方的なプロパガンダにはそれに呼応するのは喝采か銃声だが、対話に応えるのは対話だ。
OPが「Wings of Words」であらねばならないその訳は、今作のテーマそのものであったと。
しっかし、38話かけて前作主人公達のすれ違いから共に同じ場に立つまでを描くなんて、何て比重を置いているのやら。

戦闘がヘブンズベース側の敗北に終わったという報を受けて、キラは考える。
「僕たちは何をやっているんだろう…世界は」
……………まだ答え出してなかったんかい! もうその問いにはいい加減に飽きたっての!
何をやっているんだろうだあ? あらゆる意味で世界に間に合ってないんだよ君らは!


議長が満足げな顔で、眸を閉じて微笑む。
そう、ここまではあなたの思い描いた棋譜の通り、だったはずだ。ミスさえなければ。
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by gil-mendel | 2005-07-09 23:38 | seed-destiny

ミュージカルバトン、受け取りました!

Refugeのtamayadem様からミュージカルバトンをいただきました。ミュージカルバトンの存在すら知らなかったので(どうよ)、ちょっとわくわくしながら質問に答えてみたいと思います。

(1)Total volume of music files on my computer(今コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)
(2)Song playing right now(今聞いている曲)
(3)The last CD I bought(最後に買ったCD)
(4)Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me(よく聞く、または特別な思い入れのある5曲)
(5)5人に回す
…およ? 答えられるだろうか?


(1) PCの音楽ファイル用量
…どうやって調べられるだろうと延々考え、とりあえず426MBという答えを出してみました。マイミュージックのフォルダの計ですが、違うのかも知れません。
ダウンロードすることはないので、PCで聴くことのできたCDがいくつか入っているよう。

(2) 今聴いている曲
すみません、これを書き始めたときは未明で起き抜けだったため、まだ静かにしていました。よって現在進行形ではありませんが、聴くつもりの曲なら書けるかな。
デッキを見たらクレンペラーのバッハミサ曲ロ短調が入っていました。寝る前にはこれを聴いていたはずです。
kyrieではじまる初っ端のところが何より大好き。悲痛な叫びに似たkyrieは、穏やかなものよりも好きかも知れません。天から叩きつけるような、深淵を覗くようなkyrieと、やがて天に導かれていくが如きkyrie。
圧倒的な、あくまで圧倒的なこの曲は、クレンペラーはテンポがゆっくりすぎる!という人に、きっとその良さと深さを再発見していただけるものではと思います。

(3) 最後に買ったCD
デュファイの「Flos Florum」…すみませんフランス語が分からない癖に一文字たりとも日本語解説のないCDを買ってしまいました。先週の木曜日に買ったと思います。
デュファイは15世紀のヨーロッパで名声を上げた歌手にして作曲家です。その導き出す旋律は繊細で美しく重層的で、最初に「聖三位一体のミサ 私の顔が蒼ざめているのは」を聴いたとき一瞬で惚れ込み、それ以来見つけてはちょくちょく買っています。
流通量が少なく日本語解説があまりないのが悩み、です。当然リンクもなし…残念だ。

(4) よく聴く、または特別な思い入れのある5曲
5つに絞るのはかなり難しいような気もしますが…選んでみましょう。

1 デュファイ作曲「聖三位一体のミサ 私の顔が蒼ざめているのは」。(私の顔が蒼ざめているのは
やはりこれは是非入れておきたい一枚です。朝聴くのがお勧め。
静謐にして深い感動を呼ぶ、人の歌声だけでこれほどに神に近づけるのかと思うばかりの響きが世界を揺さぶります。ディアボルス・イン・ムジカというグループが歌ったもの。その名唱とともに、絶賛いたします。
是非一度聴いていただきたい…のですが、手に入りにくいのが難点。

2 Coccoの「雲路の果て」。(ベスト+裏ベスト+未発表曲集
彼女の曲はどれも心に突き刺さりますが、その中でも特にこれを。
歌い終えて沖縄の蒼に還っていった彼女の、痛みとその向こうの癒しを、感じてほしいと思います。現在はまた復帰モードの彼女に、乾杯。

3 中島みゆきの「瞬きもせず」。(singles 2000)
歌姫、と呼んで憚らない彼女の曲はどれも好きで選曲に迷いましたが、元気の出る曲と言うところでこれを。「店の名はライフ」「肩に降る雨」とかも捨てがたいですが。
昔、中島みゆきの歌詞ばかりノートに書き留めていた知人がいまして、その人の影響で惹かれていきました。心を揺り動かす、歌姫です。

4 大島克保の「イラヨイ月夜浜」。(島めぐり~Island Journey~
始めにこの歌を聴いたのは夏川りみが歌うヴァージョンでしたが、作詞者である彼自身が唄者(うたさー)であると知り、聴くようになりました。その三線、深く広がる歌声、琴線に触れる何かを確かに持っている人です。心の師匠、と密かに呼ばせていただく人の一人。先日丁度NHK教育に出て歌ってくれました。

5 フルトヴェングラー「第九」、バイロイト祝祭盤。(ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」)
カラヤンの戴冠ミサ曲とどちらにすべきか悩みましたが、やはり彼の生きた過程とその神が愛でた指揮に敬意を表して、こちらを。
ナチスドイツへの妥協はその評価をやや落としはしたものの、彼が復興の過程にあるドイツで指揮したこのバイロイト祝祭盤第九は、その訴えかけるものの大きさと強さ、何より心を引きずり出すような深い指揮で、他にやはり比肩するもののない、素晴らしさだと思う。
なお、私が最初に手にした彼の第九はこのCDではないのですが、今手許にないのでこちらを。

(5) 5人に回す
うーん…難題中の難題なので、今回はこれはパスすることに。
どうぞ皆様、適宜この問題に答えてやって下さい。ここからTBしてバトンを繋いでいただけると助かります。
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by gil-mendel | 2005-07-04 06:29 | interest

phase-37「裏切った彼らを、敵を討ったんだ、俺たちは」

キサカ! そのまま沈めといてやってくれよ頼むから! ていうかその行動はカガリに報告済みか?
アスラン…議長の考えが読めたんだったら、ザフトから自力で逃げ切れるとでも? 逃げるんだったらデスティニー使えば良かったんじゃ? その方がまだ確実性が増すだろ?
ミーア、今日初めてミーアが可愛いと思ったよ。最後の泣き疲れた顔、でもちょっとエロティックだったような気が。このまま殺されるのを待つしかないんですかね。
議長、タリアを凄い顔して睨み付けたり傷ついてるフリをしたり…いやもう役者だよ! もう真っ黒すぎて笑えるくらい。
レイ、シンを追い込んでシンにアスランを撃たせる方を選んだか。正しくはあるが、レジェンドの動きをもっと見たかったような。最後はシンとルナを気遣っているようだが…。
ルナマリア…心中はお察ししますが、偽ラクス情報を握っているんだからメイリンが撃たれた時点でザフトに疑問を持ったらどうだ。シンに抱きついても話は進まんぞ!
タリア、誰よりも今回はタリアが気の毒。この上は折角同じ艦に乗っているんですから、議長をバズーカで撃ち倒してやって下さい。





第37話、雷鳴の闇。昨日まで味方だと信じていた人を裏切ったといって討ち、そしてそれが誤りだったと知ったことのある身に、最近の話は、少し、辛い。
今回は今までになく私情を挟みますので適宜回避してください。





アバンは先週のおさらい…と思ったらデスティニーとレジェンドが起動していた。
レジェンド…Generation Unsubdued Nuclear Drive Assault ModuleをGeneration Unrestricted Network Dr…に書き換えて起動ですか。ええと、書き換えってことは取り敢えず今は核機動でないということでいいんですかね。
シートベルト、ピンクなのに笑った。どうよその色。
「訳など知らない。だが保安部に追われそれをうち倒して逃走したのは事実だ」
えーと、追っていたのは君も含めてていうか君自身だと思うんですがね、レイ。何で逃げたかも知ってるだろう? 多分に嘘と事実の隠蔽が混じってますな。
黒い黒い、真っ黒だよレイ! 願わくばその描写が深からんことを。



キサカが東アジア共和国の艦船から発進していくデスティニーとレジェンドをみている。どう考えてもグフにアスランが乗っていたという推測はできないはずなのだが…スパイ能力が高いのかそれともこの世界の神の一人なのか。
まあここはザフトの通信傍受ってことで。この際ラグナロクのデータハックもキサカということにしておこう。


タリアが凄い剣幕で司令部へ呼ばれていく。そりゃなあ…部下が二人も脱走じゃ、驚きもするよな。
この世界で一番の苦労人はタリアだろう。ミネルバの艦長に就かされて腹黒議長の思惑に嵌められ延々地球を転戦、アスランをいきなり配属されるわ勝手にFAITHにされるわ、ハイネは配属されてきたとたんに戦死するわ、AAはどっちつかずの蝙蝠だし、部下は言うこと聞かないガキ共や自分で考えることもしない副長とかで、敵兵を脱走させて開き直る奴、仲間内で揉める奴、議長に内通してる奴、…まあ気の毒にも程がある。


議長からレイに通信が入る。グフもザフト機体だからこの通信が聞こえているようだ。シンには議長とレイ両方の様子が映像付きで届いている。
メイリンについて尋ねられ、メイリンは人質ではなく自発的意志でアスランと共にいると答えるレイ。間違っちゃいないけど。
それに驚くシン、戦くメイリン、怒るアスラン。

「お前は戻ってくるんだな」とステラを逃がすシンに問いかけ、「シンは戻ってきます」と言い切ったレイを思い出す。
彼にとっては、相手が何処を足場としているかが重要なのだ。敵が相対的な概念であると言い切ったということは、当然味方も相対的な概念でしかない。
それは軍人としては正論だが人としてはとても、哀れなことだ。

「脱走は絶対に阻止すべきものと考えます。撃墜の許可を」
強いレイの言葉にシンは驚き、タリアは慌てて止めようとする。しかし議長はあっさりと許可。
それに驚いたタリアが「議長!」と制止しようとするが、議長に厳しい眼差しで睨まれて退いてしまう。この議長の眼がいいと思う今日この頃。
驚くシンもレイに声を掛けるが、一蹴される。
…脱走は本当に彼らの想定外事項だったのか。殺す気満々じゃないか、レイも議長も。というより、シンにアスラン殺しというステップを踏ませる気満々だな。


「こんなことで、議長とそれに賛同する人の思いが無駄になったらどうする。今ここでの裏切りなど、許せるはずもない。覚悟を決めろ、シン。俺たちで防ぐんだ」
裏切る、とはどういうことだろう。裏切るという言葉がやたら連呼される今回、裏切りとは何かが引っかかる。
人は考えを変える、それとともに立ち位置も変える。それが許せないと思うのは、残された者の怒りとしては無論のことだ。
裏切るくらいなら、ザフトごと変える覚悟があればいいのにと、思わぬでもないが、アスランにできるのはあの状況ではせいぜいジブラルタル基地での演説くらいか。…口べただからなあ。
一つの目的の元に動いてきたものから離れる、それが目的を損なうというのなら、裏切りと呼ばれるのも、仕方のないことかも知れない。


アスランがシンを説得しようとするがレイに否定される。
まあ「彼らの言葉はやがて世界の全てを殺す!」とか言われてもハァ?だがな。もう少し分かるように話そうという気はないのかね、君は。直感で掴んだ答えだからそう整理はされていないんだろうが。
しかしそれを聞いた議長とレイの顔がやや引きつって見えたのは、ある程度真実に触れているからなのか。レイなぞ「シン、聴くな! アスランは既に少し錯乱している!」って、いや確かに若干錯乱してるけれどそれはあんたも同じですから!

せめてメイリンを降ろさせろと要求するアスラン。「その存在に意味はない」と切って捨てるレイ。
存在の意味を議長に求めているレイならばの答えと言うべきか。意味のない存在だった自分を救ったラウと議長にそのよりどころを求めているからか。
役割を果たし、味方である者でなければ、存在自体が無意味、寧ろ有害。
その言葉に未だ抗えぬ郷愁を誘われる。
そんな風に切って捨てた、それが全ての価値観が逆転したときに、愚かだったと知った後でさえ。


「彼は、彼らは! 議長を裏切り、我らを裏切り、その思いを踏みにじろうとする、それを許すのか! お前は言ったろう、そのためならどんな敵とでも戦うと」
そうだ、自分はそう言った。目指すもののためならあらゆる障害と戦うと。あらゆる困難を恐れない、あらゆる敵と戦うと。
それがつい昨日まで、色々問題はあり仲は良くないが、一緒に戦ってきた朋友、だとは。
それでも組織として、自分の立場として、やらぬ訳には往かぬ。

シンは種割れして、「あんたが悪いんだ、あんたが、あんたが裏切るからぁーーーっ!」という安直な感情に基づき、レジェンドと斬り結んでいたアスランに襲いかかる。
一歩退いた上空から冷めた目でレイが見下ろす中、グフの鞭も楯も落としてさらにソードでコックピットやや下を串刺しに。海面に落ちたところでグフ爆散。
……で? 普通死ぬよな? 少なくとも五体がバラバラになるくらいするような爆発だよな? それとも何か? グフのコックピットはハイネの件から問題ありとみて改良されたってか?
人の命は軽いもんだね。主人公補正の効いている人たちに比べて、名もない人の命の軽いこと軽いこと。それで生きてるんだったらベルリン市民に一人の死者もいねえよ!


戦い終わって苦痛に顔を歪めるシンに、レイが声を掛ける。
「シン。よくやった」
「あ」
「俺たちの任務は終わった」
「にん、む」
「ああ」
「アス、ラン…メイリン」
「裏切った彼らを、敵を討ったんだ、俺たちは。やるべきことをやったんだ。さあ、戻るぞ」
アスランらを敵と言われて、シンが息を呑む。シンが望んだ敵ではなかったから、か。シンが想定していたのはロゴスという漠然とした悪でしかなかったのだろう。だが、実際にシンの目の前に敵として示されるのは、AAであったりそれに繋がるアスランであったりするのだ。知っているものは守ろうとするシンにとって、アスランを撃つということは自分を大きく裏切ることではあっただろう。
「敵って何だよ」(アスラン)、「じゃあどことなら戦いたい」(ハイネ)、「何が敵であるかそうでないかは、陣営によって違います」(レイ)、「なら僕は、君を撃つ!」(キラ)。
シンの葛藤は、議長にしてみれば乗り越えるべきものだが、誰かを敵として撃つとはそういうことだ。


で、キサカ! ちゃっかり船で回収に行くとはどういうことだ!
中身がアスランと知ってのことか? いつ知った!
しかも、その小さい漁船なみの大きさの船でよくグフ撃墜場所へ追いついたな! あり得ないから!
………ま、所詮はランボーだから。諦めますわ。
なあレイよ。こういうこともあるんだから、本当に搭乗者が息絶えたかどうかまで確認してから帰るべきじゃないかな。キラについても死んだと思っているようだし…詰めが甘いんだよ詰めが!!


さて、司令部ではザフトの黒服らや文官、タリアらが集まって議長と共にメイリンを庇うアスランの映像を確認している。その隣の部屋ではミーアが力無く床にへたり込んでいる。
そこにグフの撃墜報告が入り、タリアとミーアはそれぞれ衝撃に顔を歪める。平然としている議長につかみかからんばかりの風情でタリアは歩み寄るが、議長はしれっと、他に指示を出す。ザフトの見解統一、現場海域の隔離、ルナマリアの尋問。…こういうところ、議長はなかなかやり手ではあるが、既にその現場海域でアスランらを救出している者がいるとは思っていない辺り、甘い。残念だ…。
そしてタリアにも艦内の居住区域捜索と、タリアへの尋問を要請。
「アスランは私が復隊させ、FAITHにまでしたものだ。それがこんなことになって…。ショックなのは私も同じさ」
いや議長、そんな顔したってあなた全然衝撃なんか受けてないですから! 元からアスランという駒を捨てる気満々でしたから!
タリアはその見せかけの苦渋に臍を噛むが言い返せない。議長はさらに、後で時間を作ると続ける。
…タリアって本当についてないな。ま、何が運が悪かったかって、こんな人間と関わり合ったことが一番なのだろうけど。
後で時間を、ってやっぱりそういうことなんですかね、議長?


デスティニーとレジェンドが帰投。
脚の進まないデスティニーに、レイがレジェンドごと振り返る…待て! 機体が振り返ったり首を傾げたり、おかしいだろう! MSで手繋ぎもおかしかったが、その距離でMSで振り返る意味が分らんぞ!
にしても、ぽすぽすと歩いていく二体の後ろ姿…妙に可愛らしくありませんかね。


一方、尋問を受けている…もとい、メイリンについて説明を受けているルナマリア。メイリンのアクセスログとアスランと共に逃亡する写真を示され、「そんなはずはありません…あの子がそんな、アスランを…そんなの、何かの間違いです! 絶対そんな、莫迦なことを!」と涙声になる。
ごく一般的な、容疑者の家族、というところか。

その涙声の後ろで、議長は指示を下し、ミーアは涙を浮かべて座り込んだまま、シンはデスティニーの足元で何かに耐え、レイはそんなシンを離れて見遣り、タリアは珍しく軍服の衿を開いて夜明けの空を見遣っている。
アスランとメイリンを撃墜させた、それは議長が思った以上にミネルバはじめザフトに影響を与えるのだろう。

翌朝。
グフの沈んだ海域の捜索が続く中、シンとレイは議長の前に呼ばれる。この時点で二人とも艦にはまだ帰っておらず、基地内の与えられた部屋にいるのだろう。
「だが、よくやってくれた、ありがとう」と讃える議長に、レイが「撃ったのはシンです」と報告。無論議長もそんなことは知っているが、シンに「自覚」を持たせるために「そうか」とやや驚いたフリをして見せ、「大丈夫か」と気遣ってみせる。
「大丈夫、です。…でも、アスランとメイリン、…何でそんなことを」と尋ねるシンに、議長とレイが用意していた芝居を見せる。
「未だコックピットも見つからず何も分かってはいないが、こちらのラグナロクのデータには侵入された跡があったようだ」
「らぐなろく…」
「ヘブンズベース作戦のコードネームだよ、大層な名前だがね。ただその中にはデスティニーとレジェンドのデータもある。
侵入はそう容易ではないはずだが、情報に精通している者がいれば、或いは」
「メイリン…ですね」
「うん。彼はラクスを連れ出そうともした。だがラクスは拒否し、それでこちらにも事態が知れたのだが、一体彼は何故、何処へ行こうとしていたのかな?
AAとフリーダムを打てと命じたことを大分怒ってはいたようだが、だがそれも」
「後ろ盾を失い、焦ったのでは」
「分からんね。ならば尚のこと、何処へ」
「ラグナロクの情報なら、欲しがるところは一つです」
「…ロゴス!」
彼らの誘導は実に巧みだがあからさまだ。アスランとメイリンをロゴスに結びつけ、同時にAAも結んでみせる、アスランが元々AA=ロゴスのスパイだと描いてみせるのだ。
その図式に多少の無理があろうとも、アスランを撃ってしまったシンはそう思い込まねばやって行けまい。
アフターケアのある意味行き届いた芝居、ということか。
さて、本当にラグナロクデータに侵入されていた箇所があったかどうかは不明だが、まあ仮にその形跡があったとして、議長が意図的にデータを流していたに70%、残り25%にキサカのハック、最後5%に別筋からの侵入というところだろう。

「開戦の折り、それだけはどうしても避けてくれと言って来てくれた彼だからこそ、私は信じて軍に戻した。それが何故? ロゴスを討って戦争を止めようというのが気に入らない?」
「議長」
「心中はお察ししますが、もう思い悩まれても意味のないことです。
我々がいます、議長」
「レイ」
「困難でも究極の道を選ばれた議長を、皆支持しています」
「レイ」
「次の命令をお待ちしています」
「…ありがとう」
たかが芝居、シンを安定させるために議長とレイが打った芝居、だというのに。
どうしてだろう、どうしてこんな言葉が心をかき乱すのだろう。
「我々がいます」と自分が言った、そのことを覚えている。
正しいと見えていた、その判断が少なくとも誤りだった、としたら、それまでの行動は何だったのだろう。
世界は何でもって贖われるのだろう。
答えは、出ない。



ミネルバにルナマリアが戻される。デスティニーとレジェンド、シンとレイも。
メイリンを殺したと呟きそうになるヴィーノをヨウランが止める、その描写が結構好きだ。
デスティニーから降りてきたシンが無言で佇む、その方にレイが手を置いて、待っていたヴィーノ達と言葉を交わさずに歩み去る。
互いに何も、言わぬ方がいい。特に、こんな時は。


艦長室にて、タリアとアーサー。アーサーはタリア不在の間艦長代理をどうやら務めていたらしい。
「悪いけどもう少し頼める? これではシートに座れない。…すぐに行くから」
タリアが動揺し、感情の揺れを見せているのに、密かに萌えた。
人前で泣いたりするようなキャラじゃないが、艦長席の気丈さを保っていくのも大変なのだろうな。


ミネルバ艦内、シンとレイが歩いていくその向こうから、茫然としたルナマリアが歩いてくる。立ち止まる三人、そして意を決して再び歩き始めるシン、それを見送るレイ。ルナマリアの傍を通り過ぎるとき、シンがぽつりと「……ごめん」と言う。その言葉をきっかけに、ルナマリアは抑えていた感情が溢れて、泣きながらシンの背に縋り付く。シンもルナマリアを抱えて泣きそうになる。その二人を視て、レイが辛そうな様子で踵を返し、去っていく。
…仕方がなかった。妹は軍に背いた。命令だった。ルナマリアならずともそう自分に言い聞かせるだろう。そう思う。それでも泣ける場所があるとしたら、シンの胸なのだろうか? …人の弱さは、正直、よく分からない。仮に、妹とアスランが自分たちを裏切ったのだと思い込もうとするなら、ザフトに残っていく者としては、残った者の間で感情を処理する必要があるだろう。そうとしか、もう考えつかない。
アスランとメイリンが生きていると知ったら、彼らはどうするのだろうと、その時の崩壊が寧ろ心配でならない。


ヘブンズベースを討つために、ザフトと地球連合軍有志が動き出す。
ミネルバは旗艦となった模様で、「旗艦BB01ミネルバより通達。全軍、我に従え」との由。その艦橋には議長やザフト黒服が集まり、本部のような様相。艦長席にはアーサーが座り、タリアは議長の後方に立ち、メイリンの席には既に他の人間が座っている。
こうしてみると、ミネルバを信頼しているから旗艦にしたというよりは、勝手な行動を取られては困るという監視的な意味も含んでの議長らの同乗という雰囲気が否めない。
議長はヘブンズベースへ通告を送りつけることに。まあ対華二十一箇条の要求よりはずっと穏やかだが、ロゴスメンバーの引き渡しと基地の放棄、武装解除とは、何かに似ている。そうだな、まるでイラクに米国が突きつけた要求のようだ。
タリアはやや目を瞠るが、しかし自艦から脱走者2名を出した今議長に強く言えるような立場ではなく、無言だ。


さて、ここでキサカがかくして置いた飛行艇を飛ばせようとしている。そこに積まれているのは、治療中のアスランとメイリン。
さあこの飛行艇はどこへ。AAへかオーブへか…?
にしてもキサカの手回しの良すぎることと言ったら、まるで神。


AAは海底ドックへ。待ち受けていた人々の中にエリカ・シモンズがいるところをみると、モルゲンレーテの秘密ドックか?
議長の通告を傍受したAAでは、キラが「ラクスと話したい、急がないと」と言い出す。エターナルでもラクスがキラとほぼ同時に同様の結論を出している。
離れていても一つの情勢を読み解いて出す答えは同じ、そりゃそうだけどさ。
「ヘブンズベースが落ちたら、次は恐らくオーブです。そうなったらもう、誰も彼を止められなくなります」
彼とは無論議長のことだろう(気分的には止められない奴とはキラじゃないかという気がするが)。議長がオーブを狙うのは、表向きはロゴスと繋がりがあるという言いがかりで、その狙いはモルゲンレーテなどを潰すため、か。pax ZAFT、それには無駄に強い軍事力が他にあればそれだけ不安定になる。
軍産複合体を叩くならザフトをも叩くべきなのに誰もがそれを指摘しない、そんな描かれ方にややうんざりしつつ、議長の描く世界とその崩壊を、見てみたいという思いにはやはり駆られる。


シンは私室へと帰ってくる。その様子を窺うレイの目に、微かな気遣い。
シンはベッドに横になって、随分久し振りに、マユの携帯を持ち出す。
「戦争を無くす…、今度こそ、本当に」
軍人は基本的に、戦争を無くしたいと思ってはいるだろうと、思う。殺戮が無性に好きという兵士はまあいるだろうが、自分が死ぬのが好きな奴はそうそういない。問題は、戦争を完全に無くすためには軍人としては、相手を完全に殲滅するか、そうでなければ完全に自軍に取り込むかしてしまわなければならないということだ。その過程は当然、戦争になる。敵がいるというのは、結局そういうことだ。そしてその後に創り出される世界は、やはり身動きの効かないものではあろう。
「戦いを終わらせるために戦うというのも矛盾した困った話だが」と議長は前話で言ったが、実は多くの場合戦争とはそういうものだ。少なくとも、戦いを終わらせようとして戦う。敵と味方という二項対立がある限りに於いて。例えそれが三項対立になろうとも、互いを殲滅しようとする戦いに違いはない。
「今度こそ、本当に」
その言葉に続くのはキラでありラクス、カガリ、ミーア、アスラン。
いずれもが、もう戦争は終わらせたいという思いを一度は抱いた人たち、だがそれぞれが全て当事者だ。
いずれもが武力を手にし、或いは手にさせた。
暴力の応酬の先に何を描けるというのか、暴力そのものを生産しているラクスが今更何の説得力ある言葉を放てるのか、聞いてみたい気がする。
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by gil-mendel | 2005-07-03 15:55 | seed-destiny



議長至上主義。黒くて結構!
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