ちっちゃな種が暮らしいい。

2005年 08月 21日 ( 1 )

phase-44「本物なら全て正しくて、偽者は悪だと思うからか」

議長ーーっ! プラント潰しまであんたの策の内とは、恐れ入ったな! 全て手の内と言わぬ気に、要所要所で密かに笑い、知っていた素振りを見せずにレクイエムに怒りの演技か! 議長真っ黒だよ議長!!! ここまで来られて本当に嬉しいよ! だが気をつけ給え、側近の一人が明らかにあんたの黒さに気付きかけているぞ!
レイ、駄目だ、泣きそうになったよ。名言だな。しかし君も、レクイエムの存在を知っていたな?
ラ、ラクス! 君にその台詞を取られるとは思っても見なかったよ! それは私の台詞だっての! まあ議長の計画に対する君と私の見解は同じということだ。ははは!
キラ、それが君の本質か! はっきりしたよ、所詮君は、所詮君らは、暴力の応酬の中でしか生きられないと! 戦いの連鎖こそが人なのだと、君たちは言うのか。それがこの物語の答えだとしたら、何とお粗末な、人を絶望にのみ叩き落とすものだろうか!!
てかさ、可笑しいだろう! 叩き潰されたのはプラントなんだぞ! 普通に考えればAAとして、ジブリールを逃したことの責任を感じ、ジブリールを撃つべきだと思うのではないのかね?!




第44話「二人のラクス」。真と偽、本物だから正しいのか、偽者だから悪なのか? …私はそれはどうでもいい。問題は、何を為したか、だ。


アバンは先週の復習から…と思ったらラクスとカガリの画面に小さくミーアを映し出してあったよ。うへ。汚ぇな。ミーアの困惑がバレバレじゃんか。
そしてラクスの胸はえらく大きくなった気がしますが…何ですかね、TV映りがいいように? それともやはりミーアに対抗するためパッドで対抗ですかね? とすると、ラクスはミーアコンサート映像をじと目で研究してたんでしょうか。
この映像を見ていたマリューさんと名無し男、二人してさっぱりした顔で珈琲飲んでるんですが…あああれは虎の秘蔵の珈琲だったりするんだろうな。…虎気の毒。
アスランとメイリンも医務室で見ているが、メイリンがやや困惑顔なのに比してアスランはすっぱり割り切れたご様子。
イザークやディアッカは他のザフト兵と共に見ているが、ディアッカが驚いているのにイザークは困惑の気配なし。どっちかっつうと本物が出てきて嬉しいんですかね?
ミーアは恐らくはその場で渡されたカンペを見てしまい、「わ、私は」と言いかけた上にラクスに「私はデュランダル議長の言葉と行動を支持しておりません」と被されて慌てる。そうだな、声も姿も同じで映像を出されたままじゃ、ミーアが言ったように取れなくもない訳だ。汚ぇぜ、ラクス。
ミーアの様子を見ていたアスランが、行く末を心配してか、憐れむように眉を顰める。ラクスを演じることに失敗したミーアの、その先は、プラントにいる限り絶望的なものだろうから。それは自分がそうなるだろうだったそのように。
シンが驚いたように世界中で驚きが広がり、プラント評議会でも混乱が広がる。
議長は急ぎミーアの映像を止めさせるが、既に時は遅く。
「戦う者は悪くない、戦わない者も悪くない。悪いのは戦わせようとする死の商人ロゴス…議長の仰ることは本当でしょうか?」
「我々はもっとよく知らねばなりません、デュランダル議長の真の目的を」
ラクスは答えない。ラクスは常に問うことしかしない。ラクスは己の真の目的を示すことはない。それが一番論破されない術だと知っているからだ。
問うこととは結局、相手に促す行為なのだ。答えを、或いは考えることを、要求する。
問いかけから開ける新しい世界というのもあるだろう。実際、そうやって人は新たなものを得てきたのだ。だが、ラクスの問いは自己を問わない問いであるが故に、かつそれが絶対正義と描かれるが故に、視聴者の心を上滑りしていく。



ラクスが二人現れたくらいで騒然とする地球とプラント。
議長、本当にあの役立たずな「特殊部隊」を送ったことが悔やまれますな。
と思ったらコニールが出た。元気そうで何よりですわ。
ザフトに疑惑を持つ人たちの中でコニールが叫ぶ。
「みんな何言ってるんだよ、ザフトは悪い奴らじゃないよ! 悪いのはロゴスと連合なんだ、オーブなんかそっちの味方じゃないか!」
「そうだ、誰が俺たちを苦しめたのか、そして、誰が解放してくれたのか、みんなもう忘れたのか!」
もっともなお言葉。議長が何を計画していようと、実質的に彼らに開放をもたらしたのはザフトなのだ。
きっとこの物語の最後に同じことを言ってはくれないのだろうと思うと、寂しくはあるが。


議長はミーアを同道しないために別のシャトルを用意させる。ま、正しい選択だろうね。今同行すれば議長の立場が更に危うくなるというものだ。
ミーアは自分の失敗に怯える。ラクスが介入したことは彼女の責ではないが、その後の対応に失敗したことは彼女にも責がある。
振り向いた議長の冷たい目!! いいねえ、やっぱり議長はそういう目をしてこそ議長だよ! その眼が明らかに嘘っぽく柔らかくなり、議長は怯えるミーアに「姿を隠す」よう指示。あの…後ろにいる女の人、ものっそ怖いんですけど。鞭持ってそう。
「決して悪いようにはしないよ。君の働きには感謝している。君のおかげで世界は本当に救われたんだ。私も人々も。それは決して忘れやしないさ。だからほんの少しの間だよ」
永遠にサヨウナラっぽく聞こえるのは何故ですかね、議長。そうだな、例えば片手で引き金を引きながらもう片手で首根っこを掴まえて言う感じ。
ミーアは雨の中脱走するアスランに言われたことを思い出す、だが時既に遅く、自分が用済みになったと知る。
いつかはこうしてミーアを捨て駒にする、当然議長はミーアを立てた時から準備していたのだろう。思ったよりやや早くその時が来ただけに過ぎない、議長を見ているとそんな気がする。
だがミーアをただ捨てるだけではない、もう一つ罠として最後に利用しておくのだろう。ああどこまでもトラップばかりの男だよ議長あんたは!


議長はシャトルで要塞メサイアへ。救世主に自らを準える、議長らしいというべきか。…ラスボス感がやや無理矢理っぽい。
「いやしかし、色々なことがあるものだ」
全く、この終盤に来てな! つか、今まで色々起きなさすぎただけだがな!
「だがもう遅い」
あと6話で纏めきるにはな。2~3クールの無駄な女難だけでも省いておけばどれほど尺が稼げたことか!
「既にここまで来てしまったのだからね」
そうだよな、もう44話なんだよな。色んなことが真っ当な説明がされないままに終わっていく、それが心配だよ何よりも。
いや、揚げ足取りはさておき。
「既にここまで来てしまった」とは、議長の計画が所々破綻しながらも概ね予定通りに進んでおり、世界を己の手に把握するその瞬間がますます近づいた、ということだろうか。
レクイエムまで織り込み済みと、議長の言葉はそう聞こえた。


ミネルバにて、ラクスが二人ということを知った兵たちが驚く中。
レイがひどく怒った顔をして、そこから無言で立ち去る。と、それを追ってシンが、さらにルナマリアが着いていく。
シンはレイに最近依存しているようだ。レイが立ち去るのに自分が着いていかない選択などないようにみえる。その依存が、後で響いてこなければいいのだが。

タリアが艦橋へ。
それにアーサーが問おうとする、だがタリアは遮断。
「訊かないでよ、私にだって何が何だか分からないわ」
本当ですかタリアさん。まあ例え知っていたって言えるような面子じゃないですがね。特にアーサー……こいつに機密を漏らしたが最後、全世界に知れ渡るような気がする。
「ま、一つはっきりしてるのは、我々の上官はラクス・クラインじゃないってことよ。彼女から命令が来る訳じゃないわ」
お! いいねえタリア。こういうところ、やっぱ大好きだよ!

そこに艦隊司令部から通信が。ミネルバを宇宙へ上げるべく、指令が下る。…まあ明らかに議長の思惑だわな。
タリアさんが俯いて唇を噛む、議長に翻弄されることへの怒りからか。
最終決戦は宇宙でと、ガンダムである限り相場が決まっているのだから、如何ともし難いのだよタリア。
しかし、この指令のタイミングは少し妙だ。レクイエムを撃たれる前にミネルバを宇宙へ上げることを決めている、それは何が起るか議長が知っていたためではないか。ジブリールが宇宙へ上がったことで起きること、それを想定していたから、このタイミングで自分もプラント首都ではなくメサイアへ上がり、手駒であるミネルバをも宇宙へ上げる指示を出した、と
……穿ちすぎですかね?


ずんずんと先に行くレイをシンが呼び止める。だがレイは歯牙にもかけぬという雰囲気で、一応立ち止まる。
シンが一大決心をしたという顔で、レイにラクスについて尋ねる。それはまるで、他に自分を導くものはないといわんばかりの様子だ。レイは本当によくシンの手綱を取っているよ。
「あのオーブのラクスクラインのこと、レイはどう思う」
「どう、とは」
レイ、怖いって! その質問が許せないとばかりの声を出すなって!
「いや、その」
レイの剣幕にたじたじとなるシン。代りにルナマリアが、ラクスが二人情報を盗み聞いたことを思い出しながらフォローを入れる。
「どっちが、本物って話?」
「……何だお前まで、ばかばかしい」
背を向けて歩き出すレイが、いかにもだ。歩きながら吐き捨てる。
「そうやって我々を混乱させるのが目的だろ、敵の。
恐らく皆、そうして真偽を気にする。お前のように。なかなか穿った心理戦だな」
ルナマリアが少し下を向くのは、やはり当初から偽者を用意したのはプラントだったのかと思ったからか。…てか、ルナマリアが一々驚いたりしているのがちょっと腑に落ちないんですが。何故?
「だが何故かな。何故人はそれを気にする」
シャトルの中で俯くミーア、キラやカガリと明るく喋るラクス。ミーア可哀想だよミーア。
「本物なら全て正しくて、偽者は悪だと思うからか」
その言葉に被るのは、アスランとメイリン、名無し男とマリュー、そして、メンデルで仮面を飛ばされ素顔を曝された、ラウ…………。
「俺はそれはどうでもいい」
ラウに連れられ、デュランダルに恐らく初めて会ったときの、幼いレイを、レイが回想する。子ども目線で見上げたラウと、微笑みかけるデュランダル。
「レイ!」
「議長は正しい、俺はそれでいい」

何でだろう、目から水が。…おかしいな。
「本物なら全て正しくて、偽者は悪だと思うからか」、それはラクスとミーアのことだけでなく、多分にクローンであるラウと恐らくはレイ自身の存在をかけて言っているのだと思われてならない。
クローンは確かに元々の存在からすれば「偽者」と言われかねない存在かも知れない。存在そのものが嘘だと、偽だと、だからどう扱っても良いと、他者に扱われてきた存在。
だが、そこにはいるのだ、生きている人格が。人が。
何だろう、レイの憤りが痛いほど、伝わる。
レイの中で何よりもまずラウが、そして議長があるのだろう。それはその「偽者」である過酷な生に、新たな意味を与えた人たちという意味で、かけがえのない人たちとして。
レイが議長の目指す世界のためなら何でもする、その動機が少し、分かった気がした。…確かに、そういう思いがあるなら、レイが「どんな生命でも生きられるのなら生きたいだろう」「生きていると言うことはそれだけで価値がある」と言うことも、裏切りについてひどく過敏であることも、全て統べられる。
レイという存在の、哀しいところは、「議長は正しい。俺はそれでいい」という言葉に自らの存在理由を規定してしまったところだ。
自分の外に正しさを求める、それは自分という存在に一度でも疑念を抱いてしまった者に避けられないことかも知れないが、そして自分を救ってくれた存在に対して自分を投企することは人が望むことだが、だが、存在理由を外延化してしまうことは、大変に危険なことだ。常に間違わぬ唯一神など、この世にはないのだから。
だがそうせざるを得なかった経緯が想定できるから、そうしたことがあるから、私には彼を責めることはできない。ただ、哀しいだけだ。


ちなみに、「本物なら~」の台詞の中で名無し男が映った件について。
彼についても、「本物」かどうかある意味どうでもいいのかも知れない、と思った。
ネオという「偽者」、ムウという「本物」、そのどちらでもないような現在、名無し男としてその生を選択するのも一つの道、ではあるだろう。
だからとて、彼の行なってきたことが帳消しになるものではないが。
いずれにせよ、「偽者」であるラウに対して、ムウは一つの「本物」であるわけだ。……そう思うと、暢気に昼メロやっている男に腹も立つが。
で、何故アスランが映ったのかについては……不明。アスランも己が「本物」であるかをかけて世界を流離う人、だからですかね?


シンはインフィニットジャスティスとの戦闘を思い出して頭を抱える。それを心配するルナマリア。そこにレイの言葉が降る。
「そんなことより俺たちには、考えて置かねばならないことが他にあるだろう」
さっさとPCを出してくるレイ。作中実は一番PCを触っている人、それがレイかもしれんと思うくらい、作業多いな。議長、レイの事務量多すぎますよ。そのうちドライアイになるぞ?
「え」
「フリーダム、そしてアスラン・ザラ」
憎々しげに、レイが言う。シンとルナマリアが驚くが、それぞれ別種の驚きだ。
「ァ…、アスラン?」
「ああ」
「アスランって! どういうこと!」
ルナマリアがシンに詰め寄っている。あちゃ。言ってなかったか…いや、言う機会もなかったかな。
「生きてAAにいる。この機体に乗っていたのが、奴だ」
………レイ。それ、42話のラストカットのインフィニットジャスティスだろ? わざわざそんな逆光の画像を出してこなくてもよかったんじゃないんですかね。つか、どこから撮ってたそれ。あの時点ではザフトは気付いてなかったろ?
「……じゃあ、メイリンも?」
その言葉にシンが愕然となる。落としたと思った瞬間を回想。…いや相手が補正効いてるから生きてるに過ぎませんから!
「メイリンも生きてるの?」
「さあ、それは分からない。だが生きているとすれば、あの艦に乗っている可能性はあるだろう」
シンがひどく狼狽えるのは、それはもう一度アスランを、メイリンを殺さねばならぬと知るからか。……無理だろうな、多分。結局狼狽しまくって、落とせないような気がする。



ミネルバが飛び立つ先の宇宙では、その頃異変が発生していた。
軌道間全方位戦略砲レクイエムの発射準備が着々と進められていたのだが…いや、えーっと、反射衛星砲じゃないよな? ……考えないで置こう。
ジブリールは連合軍月基地の責任者と喋っている。
「最近は、必要だと巨費を投じて作っておきながら、肝心なときに撃てないという優しい政治家が多いものでね。これでは我々軍人はいったい何なのかと、つい思ってしまうのですよ」
兵器の一つの側面だ。より高度な武力をと政治家は求め、作らせ、それが作られれば武力自身が戦争を始めたがる。使う当てのない武力にされた側にはいい迷惑なのだ。だから自らの有用性を証明するために、暴力は先走りしたがる。
「私は大統領のような臆病者でも、デュランダルのような夢想家でもない。撃つべきときには撃つさ、守るために」
ジブリールの口から「守る」という言葉が出たことに正直驚く。彼はここまで来て何を何処から守るつもりなのか。地球を、ナチュラルを、コーディネイターの手から? それとも、自らの地位を? 連合軍を?


ビーム偏光ステーショングノーの近辺で、ジュール隊が戦端を開いていた。元気だね、イザークにディアッカ。
それを議長が報告を受けている。
「12宙域に妙な動き?」
「はい、防衛警戒エリア外だったので対応が遅れたようですが、オニール型コロニーが少しずつ動いていると」
「プラントへ向かってか」
「距離はまだかなりありますが、警戒に出たジュール隊やジャニス隊がその護衛艦隊と現在戦闘中とのことです」
「分かった。以降もこの報告を最優先に」
機動要塞メサイアへ向かう議長は、報告を聞き終え目を閉じ、そして小さく息をついて、口角を上げた。
うひょーっ! 明らかに計画の内って顔ですね議長! 嬉しいよ、あんたの計画が進んでいくのがな! 初期から今まで、あんたの真っ黒さに惹かれて山谷を乗り越えてきた身には、その黒い笑いが物凄く嬉しい。
人が何かを聞くときに、それが初めてか否かは態度で分かる。報告を受けているときの議長の目線は、はっきり、既に知っているものを聞く態度だった。敢えて言うなら、戦闘中であるということに少しひっかかったか。だが楽しみだ、正直こんなに嬉しいことはないよ!
それにしてもメサイアの輪っかが、DNA二重螺旋構造をかたどっている気がしてならないのは、もう気のせい以外の何ものでもないよな?


レクイエムの発射準備に伴ってグノーが動く、その意図が掴めぬままにイザークらは止めようとする。…いや大きすぎて無理なんじゃないかと思うのは私だけですか。
議長は続報を求めるが、「停止を第一に考えるようにと」と報告を受けて、やや考える。議長が停止など望んではいないように、見えてならぬ。
一方ジブリールはレクイエムの目標をプラント首都アプリリウスに設定。
ジュール隊の攻撃は、グノーの一部を傷つける。
トリガーに手を掛けたジブリールは叫ぶ。
「さあ奏でてやろうデュランダル、お前達のためのレクイエムを!」
………それが言いたいがため、ただそれだけのためにこの兵器にそんな名前を付けたのかジブリール。実はあくまでも詩人だな、君は。
いくつかの経由点を経てビームはグノーへ。
「何だこれは!」
「ビームが曲がった?!」
はいはいはいはい。それが言いたいがためにそこにいたんですねお疲れ様。
レクイエムの光はプラントを直撃、その幾つかをぶった切る。……ああ、人がゴミのようだ。というより、このアニメでは随分以前から人類の大半はゴミのようだがな。
しかし、崩壊したプラントの外に吸い出された人たちは、必ず全員死んでしまうのだと思うと気分が悪くなる。いや、プラントという機密性のある物体が宇宙で損傷した時点で、その中の生命体は全て死ぬしかないのだ。……ああ。真空の、絶対零度の中で死ぬ気分とはどんなものだろう。吐き気がする。
プラントにプラントが衝突し、更に被害が拡大していく。大惨事、という言葉など追いつかないくらいの被害。
議長、その顔には『あれ?』としか書いてないように見えますよ。もっと驚き、怒らなくてはまずいんじゃないですかね? もしかしてアプリリウスじゃなかった驚きですか? 評議会とか全滅してくれると有難いですもんね!
いきなり崩壊したプラントを見つつ、側近が唖然とする中、議長はその側近をちらりと横目で見遣ってから拳を握りしめ、「どういうことだ、どこからの攻撃だ! 一体何が起きたというのだ!」とアップで怒ってみせる。そのいかにも演技臭い顔がまたいいですな、議長。今回の作画に結構満足しました。
側近はしかし無能じゃなかった。議長の怒りのタイミングのズレ、演技の臭いを確かに嗅ぎ付けて不審に思っていましたよ、彼は。議長、刺される日も近いですよこのままじゃ。何せ、プラント崩壊を促した容疑が掛かってくるんですから。……演技は慎重にね。まあ、それを隠せなくて失敗してこそ議長だがな!


崩壊したのはヤヌアリウス1~4とディセンベル7・8。首都を狙ったにもかかわらず狙いが外れたのは、グノーについた傷のせいらしい。
プラント崩壊を、防げなかったイザークとディアッカ。そして人は繰り返すのか、歴史を。
「2射めがあったら今度こそプラントはお終いだ! 何が何でも落とすぞぉっ!!」
そうだな、君は必死で走り回ってこそ君だよ、イザーク。


カーペンタリア基地にいたミネルバにも、オーブにいたAAにも、プラント崩壊の一報が届く。
AAで驚いているのは、しかしマリューさんとメイリン、アスランくらいにしか見えないのだが…ラクスやキラの様子が「いやこれも想定の範囲内」に見えるのは気のせいか。ノイマン腰に手を当てて落ち着きすぎ。
オーブ行政府のカガリは悲惨な有様に驚愕。……私はあなたの胸に驚愕していますがね。妙に今回くっきりあるように見えるんですが。

タリアは「何てことなの!」と悲痛な声を上げ、シンもルナマリアも顔を歪める。レイだけ「痛ましいことだが」程度の様子にしか見えないのは、偏見か。
「お母さん、嫌あぁーーっ!」と絶叫する声が響く。
「なんで、何でこんな」と思わず呟いたシンに、答えた声はレイ。
「ジブリールだな」
だーかーら! 答えを求めたんじゃないっての! そこで一人だけ冷静っておかしいだろうレイ! よく考えろ! ……まあ君にとって守りたい存在はそこにいないと、知っているからそう冷静になれるのだろうがな。
皆が悲嘆に暮れる中、一人だけPCに向かって情報を引き出すレイ。…そういえば前もこんなことがあったか。ユニウスセブンが落とされたときも、君は冷静だったなレイ。あの時は議長やアスランがいた、だからそう目立ちはしなかったが、今は悪目立ちする。
「…月の裏側から撃たれた。こっちがいつもどおり、表のアルザッへを警戒している隙に。ダイダロスにこんなものがあったとは」
他の兵士も共同して使用する部屋で、レイの個人用ではない端末から情報を引き出しているところを見ると、事前にレイが持っていた情報ではなく、今本国から送られてきているものにアクセスしているのだろう。にしても、レイだけは事前に知っていた感が否めない。
「何で! 裏側からって! そんなの無理じゃない! どうやって!」
「奴らは廃棄コロニーに、超大型のゲシュマイディヒパンツァーを搭載して、ビームを数回に屈曲させたんだ」
ゲシュマイディヒパンツァー、と聞こえるんですが、とするとGeschmeidig(柔軟性のある)panzer(戦車、甲冑)ですかね。…ううむ、何か違うような気がする。
「そんな…」
あれ……レイが操るこの図、どこかで見たことが。ああ、デストロイとくっついていた情報か。成程ね、議長がご存じだった訳も、レイが知っている様子なのも理由のあることだ。だが、プラントの一部を壊滅させることまでも相当以前からの議長の計画の内だとは。
「このシステムなら、どこに砲があろうと、屈曲点の数と位置次第でどこでも自在に狙える。 悪魔の技だな」
「……っ、そんな、そんなことを」
驚くシンに、レイは振り返って、厳しく言ってのける。
「ジブリールを逃がした、俺達の責任だ」
その言葉に、シンとルナマリアは衝撃を受ける。 …特に、射撃を外したルナマリアには痛い言葉だな。ぐさぐさ来るわ。
「ジブリールを逃がしたって、それは!」
邪魔が入ったからだと、アスランやAA、フリーダムによる邪魔のせいだと、シンは主張。
「何であれ、俺達は討てなければならなかったんだ」
レイの言うことは、表面上しごく真っ当だ。プラントを壊滅させた責任は自分たちにあると、自分たちの失敗にあると、撃てなかったことの責任の重さを述べること、それは決して間違いではない。誰かのせいにしないこと、それは人として正しい在り方だ。
だがこの場合、レイがシンにそれを示すことは、戦いに駆り立てるための言葉でもある。シンがアスランに躊躇しなければ、アスランの話すことなど聞かずに倒していれば、討てたかもしれない敵だったのだと、討てなかったことによる被害の大きさを知ることにより、次は躊躇しないで撃たねばと、シンを動かす。
守らねばならない本国がシン自身の躊躇のせいで壊滅した、それを認識させるレイの手腕は、なかなかのものだ。


ミネルバは宇宙に向けて出航する。死を背負って。
タリアの言葉がいい。
「みんな、連戦でつかれてると思うけど、正念場よ。ここで頑張らなければ帰る家がなくなるわ。いいわね」
帰る家。地球に住む人にとっては、国破れても山河はある。だが、プラントに住むコーディネイターにとっては、一度失えばもう絶対に帰れない、故郷は本当の意味で消滅する場所なのだ。


文字数が多すぎるということで、一旦切ります。ブログ本文でなんて、初めてだ…。
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by gil-mendel | 2005-08-21 16:14 | seed-destiny



議長至上主義。黒くて結構!
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