ちっちゃな種が暮らしいい。

phase-47「ラクス・クラインって、本当は何だったんだろう?」

ミーア。ミーア、お休み。お疲れ様。本当にありがとう。世界のために平和を歌ってくれたのは、ラクスではなく確かに君だった。頑張ってくれて、ありがとう。そして、すまない。今は、誰にも利用されることなく、安らかに静かにお休み。
シン……本日の台詞、「議長…」のみって………頑張れシン。あと3話、何とか頑張ってくれ。
議長…明らかに時期尚早、何をそんなに焦っておいでになるのですか? まだ地にはオーブが残っているのに、宇宙にはAAとエターナルがいるのに、ザフト内部は旧クライン派に蝕まれて崩壊寸前なのに、何故今?
ラクス。責任を感じてくれていますか、ミーアの死に対する。もし少しでも己を問うなら、己が為し得なかったことを問うてくれ。ミーアを死なせたのは己だと、分かってくれ。
アスラン。…いつまで君は逃げるのだろう。




第47話「ミーア」。………本気でこの時期に半総集編とはいい度胸だ。
まさか49話まで半総集編だったり……しないよな? 幾ら何でも最終回直前でそれは………ないといえないのがこのアニメの怖いところだ。あと8話くらい残っていたらそれもありだろうが……風呂敷、畳めるんですかね。
今回は日曜になってから見たのでかなりに遅刻。更に半分総集編だったのも手伝い、比較的駆け足気味の感想です(当社比)。
選挙速報見ながらてけてけ感想を打っているのですが…頼むから20時ジャストで当確出すのは止めてくれ。まだ票開いてませんから。投票所に投票人が残ってたら投票箱閉鎖すら終わってませんから。



瀕死の人をAAに連れて行ったらAA補正が効いて生き返る、そう思ったのかどうか知りませんが医者にではなくAAにミーアを連れ帰った彼ら。
しかしミーアは既に事切れていたのか、ストレッチャーではなくアスランが抱きかかえてクルーが整列する中を連れて行く。…それって、ミーアの生に対して早々に諦めたってことですか。目の前で本当に人が死んだことのない人が脚本書いているんじゃないかと思えて仕方がない。人が目の前で自分のせいで命を失うことがどれだけ悔しいことか分かってますか。
死にそうな人に色々喋らせるなんて命が大切ならしない、とにかく医療をと考えるのが普通の人なのだが、アスランにもラクスにもキラにもメイリンにも名無し男にもそんな常識はなかったようだ。
「俺はそんなに諦めが良くない」って嘘ですかアスラン。それとも実はミーアの死を望んでいた人物があの5人の中に? …誰とは言わぬが。

整列しているクルーの中に妙な違和感…と思ったらドム3人組がザフト軍服着て混ざっていた。しかもヒルダ姐さん赤服なんだが……その服でオーブ軍艦たるAAにいるのはやめてもらえませんかね。怒り倍増しますから。
駄目だ、本気でザフトは崩壊しているよ。

で、アスランはミーアを軽々と抱いて歩いていくんだが…本当に死体ならそんなに軽くないし、冷たくて、足も首も手もあらぬ方向に曲がるのだ。ミーアの脚の角度から見て、まだ筋力が残っているように見える。この時点でミーアは未だ完全には息を引き取っていなかったのではないか。
医療を施してなお駄目なら仕方ない、なのに彼らは余りに諦めが良すぎる。
抱き上げた角度的に、進行方向向かって左の列の人にはミーアのパンツが丸見えなのではないかと思うが…死者だと思うならせめて辱めないでくれ。


ミーアは冷たい部屋に横たえられる。寂しい部屋だ。裸電球がぽつんと照らす、寂しい部屋。
名前以外何も知らないからって持ち物検査ですかそうですか。日記はなあ…公開用じゃないんだから放って置いてやってくれよ。逆の立場なら嫌でしょうが。ディスク開くまでは何か分からなかったとしても、日記だと分かった瞬間に閉じろよ。明らかに覗き趣味じゃないか。


ミーア日記は賛否両論あると思う。
残り3話となった今ミーアにこれだけの半総集編を割く意味が今ひとつ分からないが…あり得るとすればAAが議長を倒す動機付けの一つとして利用されるという点か。巫山戯るにも程があるけどな。
ステラの死にもそれだけの重さを持たせてやって欲しかったな。スティングの、アウルの、トダカの、ハイネの、ユウナの、馬場の、数え切れない沢山の死に。


日記を見る限り、ミーアは明るくて一生懸命で、ややピントはずれていたけれども平和のためにとひたむきだった。
ラクスがいないプラントで、整形までして身代わりを務め、自分の言葉ではないけれども自分もそれに同意できるからと、議長の下での平和を語り、世界がそれに靡かぬことを苛立たしく思い、平和のための戦争に疑問を持たず、ただ頑張ってきた健気なミーア。
そうだね、確かに君の唇を通して出た言葉が世界を動かしてきた。それは確かに君がしたことだ。君を利用するどんな力があろうとも。
「今の私の言葉はラクス・クラインの言葉。本当にこれで世界が変わるなら…どうか変わって! みんなどうか私の声を聞いて!」
ああ、まるで巫女のようだ。その身に神が宿ったと信じて、必死に舞い叫ぶ巫女。

ラクスがミーアの映像に介入してきた辺りのミーアの言葉が痛い。
「ラクス・クラインって…ラクス・クラインって、本当は何だったんだろう?
誰のことだった? あたし?」
「ラクス・クライン」とは一つの象徴、偶像だったのかもしれないと思う。
実際のラクスがどうあろうとも、受け手にとってはラクス・クラインはこのような者でこうあるべき、という像ができてしまう。期待が大きければ大きいほど。
その代行を務めたミーアには、過剰な負担が掛かったであろうことは想像に難くない。まして他人になりきるという「嘘」の上では、やりがいがあるといってもしんどいはずだ。
世界のためにと信じてラクス・クラインという一つの虚構を演じてきたところに、「私が本物」と今更ながらにしゃしゃり出たもう一人のラクスを、ミーアが「あたしがラクスだわ!」と否定したくなったところで、責められるものでもない。
「あたしがやった! だからあたしは、あたしが!」
……うん。そうだね。
忘れないよ、ミーア。ラクスが言う「忘れない」とは全く違った意味で、忘れない。


やりきれなさに席を立ったアスランをキラが追う。もうこの二人に関しては色々諦めました。アスランのぐるぐる状態には何だかんだ言ってキラが必要らしいです。ああもう好きにしてください。我関知せず。
「俺が最初に認めなきゃ良かったんだ…こんなことは駄目だと」
「うん…でもやっぱり、すぐにそんな風には言えないよ。後になんないと、分かんないことも多くて」
まあね。アスランには傷を舐めてくれる人がいていいね。
「僕もラクスも、狙われたりしなきゃデュランダル議長のこと信じてたと思うんだよね。戦わない方がいいって言った人だもん」
……あちゃ。議長の計画破綻はラクス暗殺を立案したことそのものにあり、か。まあミーアを「私のラクス」として使ったりしなければラクスを暗殺しようなどということにはならなかったはずだから、要するに下手なカリスマが存在していたことそのものが議長の計画を破綻させたということですかね。
それとも、特に議長に疑いを抱いていなかったラクスやキラを初めから取り込んでおけば良かったか。…いやあんな危険因子、取り込んだ瞬間からいつ牙を剥くか心配しなきゃいけないだろうから、それは無理か。
まあ藪をつついて蛇を出した、議長の失策はそこに尽きると。

ちなみに、「そんな世界は傲慢だよ」とキラが言う、そこに被る映像がロドニアラボ、叫ぶシン、そしてアスラン脱出時にやたら銃を撃ちまくったレイなのは、それはアスランが傲慢だと思うものってことですかね?
彼らはいずれも結果でしかないというのにね。傲慢だという言葉にそれを思い浮かべる君が傲慢だと思うよ、アスラン。


ラクスが涙を流す。
何故だろう、それが最も傲慢だと思えてならない。
己がプラントで為し得なかったことの結果としてミーアがラクス・クラインという商標を付けて世に出た。己が逃げたことの代償をミーアに支払わせた。その女が何を泣くというのだろう。
傲慢な涙だ。あらゆるものに恵まれた者が憐れんで零す涙など、ミーアに要らない。
一緒に泣ける者がいる者の涙など、ミーアに要らない。
そして、本当に悲しい時、人は涙すら出ない。それだけの哀しみと自責を味わった者にしか、分からない。
少しでもラクスに自責の念があったなら、涙など零れない。その死に自分が加担しているという自覚があれば、喉から出るのは無音の叫びだけだ。
ラクスの「忘れない」は、明らかに議長にのみミーアの死の責任を負わせるものでしかない。自分を問わない「忘れない」の虚しさに、怒りを禁じ得ない。


ミーアを死衣裳に着替えさせ、棺に収めて出棺する。
…ああどうか、その眠りが静かなものであるように。せめてその死は誰かに利用されることのないように。



議長がついに、世に問う。AAもターミナルもオーブも健在である今、議長としては珍しく賭に出たと言うべきだろうか。
議長の言葉を起こしてみよう。

「今私の中に、みなさんと同様の哀しみと、そして怒りが渦巻いています
何故こんなことになってしまったのか。
考えても既に意味のないことと知りながら、私の心もまたそれを探して彷徨います。

私たちはつい先年にも大きな戦争を経験しました。
そしてそのときにも誓ったはずでした、こんなことはもう二度と繰り返さないと。
にもかかわらずユニウスセブンは落ち、努力も虚しくまたも戦端は開かれ、戦火は否応なく拡大して、私たちはまたも同じ哀しみと苦しみを得ることとなってしまいました。
本当にこれはどういうことなのでしょうか。
愚かともいえるこの悲劇の繰り返しは、一つには、先にも申し上げたとおり、間違いなくロゴスの存在ゆえんです。
敵を作り上げ、恐怖を煽り戦わせて、それを食い物としてきた者たち、長い歴史の裏側にはびこる彼ら、死の商人達です。

だが我々はようやくそれを滅ぼすことができました。
だからこそ、今敢えて私は申し上げたい。
我々は今度こそ、もう一つの最大の敵と戦って行かねばならないと。
そして我々は、それにも打ち克ち解放されなければならないのです。

皆さんにも、既におわかりのことでしょう、有史以来人類の歴史から戦いのなくならぬ訳、常に存在する最大の敵、
それはいつになっても克服できない我ら自身の無知と欲望だということを。
地を離れて空を駈け、その肉体と能力の様々な秘密までをも手に入れた今でも、人は未だに人を分からず、自分を知らず、明日が見えない、その不安。
同等に、いやより多くより豊かに、飽くなき欲望に限りなく伸ばされる手、それが今の私たちです。
争いの種、問題は全てそこにある。

だがそれももう、終わりにする時が来ました。
終わりにできる時が。
我々は最早その全てを克服する方法を得たのです。
全ての答えは皆が自身の中に既に持っている、
それによって人を知り、自分を知り、明日を知る。
これこそが繰り返される悲劇を止める、唯一の方法です。
私は人類存亡を賭けた、最後の防衛策として、デスティニープランの導入実行を今ここに宣言いたします!」


議長、ここまで着々と策を講じてきたあなたが、どうしてこんな賭に出るのか今ひとつ分からない。進めてきた策にいくつかの綻びがある、それはAAとかラクスとかオーブとか旧クライン派とか、軽く見ると酷いしっぺ返しを喰らう類のものだ。何故に議長がかくも急いでいるのか。一気呵成にいけると読んでいるのか、それとも他に急ぐ理由があるとでも言うのか。

敵とは何か、それはお前自身の無知と欲望だと言われてはいそうですかと素直に受け入れる者などいないだろう。
ラクスの言葉を借りれば、まだ「戦う者は悪くない、戦わない者も悪くない」と言ってもらえた方が、人は自分を問わずに済む。敵は己の外、己とは違う者なのだと言われる方が戦いやすい。さてどうしますかね、ラクス。議長は「戦う者も戦わない者も悪い」と言ってしまった訳ですが。

デスティニープランに賛成か反対かと問われれば、個人としては反対だ。
どれほど遺伝子の解析が進んだとしても、人は人と出会って成長していくものだから、どんな人に出会うかは決して遺伝子情報には書かれていないから、全てなど読み切れるはずもない。能力には確かに遺伝上ある程度限界はあるだろうし、事前にこういう方面に向くと分かっていれば才能が見出されずに花開かぬということもなかろうが、しかし人は努力によっても変わるものだ。未来は見えない、だから進もうという勇気が出るのだ。
人は揺らぐ、その揺らぎが人類だ。

だが、コーディネイターの存在そのものがデスティニープランの一環であるようなものではある。遺伝情報を書き換えてより能力を持たせることは、既にコーディネイターが行なっていることではないか。遺伝子で全てが決まるとなれば、ナチュラルの中からも子どもはコーディネイトしたい者が多く出てくるだろう。デスティニープランとは実質全人類コーディネイター化計画と言えるだろうか?
そう思う一方で、実はコーディネイターとナチュラルはそんなに違わないのではないかと思ったりもする。副長アーサーの驚きぶりとか赤服ルナマリアの射撃下手とかプラント市民の煽動されやすさとか見ていると、コーディネイトされたって何を?と尋ねてみたくもなるというものだ。
人の愚かさも人の欲も、コーディネイトしてなくせるものでもあるまい。遺伝子で何とかなると思う愚かさも、遺伝子で何とかしたいと思う欲も、なくせる訳ではないのだから。

それでも、議長がそういう世界を渇望するに至った経緯を分からぬ訳ではない。万人の万人に対する闘争を止めたいと思う、その思い自身は共感するものがある。その手段と過程は真っ黒ではあるけれども、ただ手をつかねているだけの者やヴィジョンがない者には、行動すら起こし得ないではないか。
あなたはこの混沌の世界をどうするのかと問われて、戦争のない世界を導くための一つの答えを見出し、そのためにあらゆる策を講じあらゆる手を打って理想を実現させようとする、その思いには揺さぶられる。
確かに議長は夢想家だ、だがあらゆる手を打っていくその強かさは唯の夢想家ではない。
戦争のない世界、それを構築するためなら己の手など幾度でも黒く染めて怯まない。その黒さに、心惹かれる。
勿論、目的は手段を正当化しない。だが、黒さを引き受ける覚悟のある手に、惹かれる。



議長の宣言を聞くタリアが思わず呟く、「ギルバート…」と。
そこから生み出される世界を想定することが、タリアには容易いのかもしれない。議長をよく知る身であれば。
タリアに物語上どんな役割が用意されるのか知らないが、どうかザフトから離れる展開ではありませんように。己の立場から逃亡するばかりの人間ばかりでないことを、示してくれ給え。

一方、私室にいるシンとレイ。彼らにしては珍しく部屋が明るく、何故かレイが椅子に座ってその斜め後ろにシンが立っている。彼らの力関係には正しく則っているが、少し違和感を覚える。多分先に演説を見始めたレイの所にシンが寄ってきたのだろう。
シンにはやはり議長の言葉はすぐに受け入れがたく、「議長…」と驚く。いや今日のシンの台詞ってこれだけですか。最終回直前とは思えないほどないがしろ状態なんですが。
レイはシンを上手くコントロールするためにルナマリアから引き離して自室で演説を見ているのだろう。普段なら他のクルーも集まる部屋である程度皆の反応を見ながら議長演説を見ているのに、今回はシンをどうするかに絞ったか。余裕がないレイ、ということか。…時間も、ないか。

ルナマリアは他のクルーがいる部屋にきっとシンがいる者と思って姿を現したが、シンはいなかった。この先のシンとの関係にやや不安が残る。




次回…ああ、議長が壊れていく様を、それでも見ておきたいと思う。
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by gil-mendel | 2005-09-11 23:46 | seed-destiny
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議長至上主義。黒くて結構!
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