ちっちゃな種が暮らしいい。

phase-39「皆そうしたくってそう言ってるのに、何でそうならないんだろう」

真っ黒だよキラもラクスも! それに気付かない受け手にも問題はあろうけれど。
「当たれーーーーーーっ!!!」。…キラ、お前にな。自分の彼女を守るためなら何やったって構わないのかね。不殺はどこいったよ。
ラクス、君に一言だけ言っておこう。「強すぎる力は争いを呼ぶ!」。



第39話、天空のキラ。もうサブタイトルからして笑うしかない。
今回という今回は相当げんなりしたので、思わず感想を書くのをさぼりそうでしたが、しかし1週遅れでも書いてみようかと。
「愛するに時があり、憎むに時があり、
戦うに時があり、戦うのを止めるに時がある」コヘレトの言葉第3章8節
まあ、今がそのときではないと思いたいのですが、いい加減うんざりしてきています。この先の展開にも今のところ納得できそうなネタは来ていないし…。


アバンタイトルにいきなりコロニー・メンデル。
CE68年のバイオハザード以降完全に放棄されていた…と思ったら、議長はちゃっかり罠を張ってラクスらを待ちかまえていた訳ですな。だが、データを破棄するならもっと徹底的に行なうべきだと思うんですが、どうですかね。2年前にはまだ空気もあって普通に動いていたのだから、議長が破壊させたのでしょうが。しっかしまあ、議長がメンデル関係者であるときちんと描写されて良かった。
メンデル内を捜索するダコスタ君。そう都合良くノートが見つかるっておかしいんじゃないですか。それとも議長が見つけてほしくて置いておいたとでも?


エターナルでラクスと虎が見通しについて語る。
「オーブは強い国ですから…その力も、理念も」
はあ、そうですっけね。その理念とやらを破壊して回っているのがあなた達のように見えてならないんですが。
「議長は地球、プラントを一つに纏めた新しい世界秩序を作ろうとしているのではないでしょうか。もしかしたら今のこの争乱も総て、そのための土台作りでしかないのかも知れません」
議長の目指すものが仮にそうだとして(まあ恐らくそういうことなのだが)、いったい何の問題が?
ラクスらは「ターミナル」や「ファクトリー」とリンクしており、その組織的背景はきちんと描かれてはいないが相当大きくはある様子。彼らが目指すものもきちんと描かれてはいないが、それが正義だとも限らぬだろう。自分たちが作るものは正しくて、それ以外は誤りだと? 自分たちの持つ暴力は正しくて、それ以外は誤りだと? 自分たちの持つ核は綺麗で、それ以外は汚いと?
そんなことはとっくの昔に論破された言いがかりのはずだ。


それはさておき、そろそろターミナルやファクトリーが何であるか説明されて然るべき時期だと思うのですが。
空白の2年間に世界の様々な結びつきがあったとして、それは決して不思議ではない。
多様なまま自由に繋がり合いつつ必要なときには一致して闘える、そんな組織体を構築することは否定しない。
だが、それも世界を結ぶ、有り体に言えば一つの手段に過ぎぬ。議長の目指すものと彼らの目指すもの、実質は一つの理想のための様々な道程の内の幾つかに過ぎぬ。互いに否定することがあろうとも、いずれも目指す者は一つの理想の一部なのだ。
プラントと地球を包括することが悪なら、ファクトリーやターミナルを作ることも悪だろう。だから議長の為そうとしていることの、最大の問題点はそこではないはずだ。だが、ラクスがそれを議長=悪と決めつけようとしている根拠にするのは違和感がある。
ファクトリーはプラントの地下組織と見なして良いだろう。ストライクフリーダムのOSがザフト様式だったのを見ても、ザフトの相当な機密部分にまでそれは入り込み、また資源も含めて奪っている。これが露見していないのならば、国としてはプラントは実質危機だと言えるだろう。獅子身中の虫というよりも悪い。



ジブリールはオーブへ逃亡。
ヘブンズベースにジブリールがいなかったという報を受けて、シンは「今度見つけたら、絶対俺が踏みつぶしてやる」と発言。ふ、踏みつぶすって…どういう状況を想定しているんだ、シンは。
レイに鼻で笑われているぞ。



修理中のAAにて。
「今の僕には何の力もない…これじゃあ、何も守れない」
そうマリューにこぼすキラは、結局は前作最終話でクルーゼに言った、「力だけが僕の全てじゃない!」を自分で否定してしまっている。
2年間でキラは寧ろ後退してはいないだろうか。フリーダムという暴力を失ったことで見えてくるべきものもあるだろうに、結局は暴力だけがお前の全てなのか。
…ああ、クルーゼは正しかった。情けないことに。クルーゼが聞いたら嗤うだろう。
「もうすぐラクスさんも戻るわ…そしたらきっと、ね」
マリューさんは要するに、ラクスが新しい機体を持って帰って来るまでの辛抱と言いたいようだが、それはキラには暴力しかないと肯定しているに過ぎず。


AA医務室、寝たままのアスランとニュースを見ているムウ、そこへカガリがやってくる。
「死にたいような気分だな…残念ながら、大丈夫みたいだ」
…本気で残念ながら、だな。キラが傷一つなくぴんぴんしているのに比べてアスランがこの有様、ということは、やはり補正の強弱によるものか。…虚しいものだな、人の世など。
「やめろよ、そういうこと言うの。誰も嬉しくないから」
ま、カガリになら弱音も愚痴も出るんでしょう。どっちかというと、アスランの中ではキラよりもカガリの方が戦友っぽい位置づけのようだ。
「ほとんど話したこともないのに、俺甘えて、巻き込んで」
「お前のことを好きなんだろう、きっと。大丈夫だよ、彼女のことは心配するな。ちゃんと私が面倒見るから」
面倒見るってどういうことですか、カガリ。それは食べ物に毒なんか入れないよってことですか? 戦友撤回、結婚後数年経った夫婦のようだ…ある意味怖い。
「それであのう…、私のことは許してくれるか」
「それは俺の方だろう…謝るのは。クレタでキラに言われたことを、俺は」
「私は、結婚しようとした。お前に何も言わずに」
全くな。連絡の一本も入れてやったらよかったじゃんか。行き違う前に言っておくべきことがあったろ? ま、お互い様なんだが。
「守りたかったんだろう、オーブを。…俺は、焦ったのかな。嫌だったんだ、何もできない自分が。カガリは国という責任を負って、毎日死にものぐるいなのに…俺は何もできないどころか、ユニウスセブンがあんな…。何かしたかった、止めたかったんだ本当は。戦争になるのを」
アスランは「女であるカガリが」頑張っているのに何もできない自分というところにずっと拘っていたように思う。男としては沽券に関わるんだろう。くだらんことだが。
カガリのおまけとしてではない、何かができる自分。今作の殆どは、アスランがそういう自分を捜すという自分探しの旅に費やされたと言っても過言ではない。自分は探しに行くものではなく、この場で作るものなのに。
「分かってるよ、それは。でも…、難しいな。皆そうしたくってそう言ってるのに、何でそうならないんだろう」
そうしたい、そう言っている、ただそれだけでは何も変わらない。
そのように行動することだけが、結果を生む。


ダコスタが持って帰ったノートを見るラクスと虎。
原胚発生図やらAT>GCやら遺伝子の組み換え図が記入されている中で、DNAという単語がやたら多くある。高校生の生物のノートっぽいんですが、本当にそんなのが証拠として成り立つんですかね、ラクスよ。
寿命曲線の上に鼠や兎や蝙蝠や馬や人間がいるんだが、その140歳くらい生きるところに記されている単語は…それは何だ? デスティニープランの文字で隠されて読みにくい。だが、もしこれがデスティニープランなら、随分長生きできる計画なわけだ(笑)。クローン体も長生きできるならいいのですがね。
destiny planという議長の計画、それが指し示すのは何か。やはり「己ができること、己のすべきこと、それは己が一番よく知っているのだから」が示す、DNAで全てが決まる世界なのか?
「デュランダルの言うデスティニープランは、一見今の時代有益に思える。
だが我々は忘れてはならない。人は世界のために生きるのではない、人が生きる場所、それが世界だということを」
世界のために一度でも生きたことのない人間に、ただの言い訳を与えるだけのような言葉だ。だが多分、この言葉は後々議長を追い詰めるのだろう。
人は世界のために、それはすなわち他人のために、もう少し努力をしてもいいような気がする。



ザフトに発見されるエターナル。というより、偽装を排除して飛び出ていく。ファクトリーの対応する時間を稼ぐ、というのだから、ファクトリーも今後打って出るということか? まさか。
「勝ちたい訳ではありません、守りたいのです」
ファフナーだと「行こう、そして還ってこよう!」「君たちが還るべき場所に、我々がいる」という言葉が深く響いたのに、何故ラクスが語る言葉は欠片も重みを持たないのだろう。
…必ず彼らだけは勝ち残り、必ず彼らだけが正義で、必ず彼らだけがこの世界で忽せにされぬと、知っているからだ。
勝ちたい訳ではない、そう言うならその暴力は何だ。今降ろそうとしているその2機は何だ。
勝ちたい訳ではない、そう言うなら何故キラもアスランも死ぬことがないのだ。
虚しく死んでいき描写も省かれる軽い死と、決して死なず常に正義である特別な生。
その差に、絶望する。


アスランは多分、エターナルの現存も知らされていなかったんではないかと思う。…常に蚊帳の外なのか、君は。まあAAへの連絡方法も知らされていなかったぐらいだし、ザフトに寝返る可能性の高い人物としてキラやラクスにマークされていたとしか思えない。…不憫だ。
だがエターナルと聞いて、ラクスを思い出すアスラン。「彼女を失ったら全て終わり」とは、議長の計画の矛盾点を衝ける存在がミーアとラクスの二重だからだろう。というより、目に見えて議長がおかしいと批判できる点がそれくらいしかないからでは。
…で、ムウよ。まだネオとしての記憶が残ってるなら、ブリッジに通信を開く暇があったら連合軍に連絡取ってみろよ。ファントムペインが無駄死にだな! 何が「た・い・さ!」だよ、大佐らしいこと何もしてないだろうが!
アスランも、礼を言ってから相手がかつて溶けて死んだはずの人間だと思い出す。…いやもう、どっちでもないから。我々の知っているムウはあの時本当に死んだ、もうそれでいいじゃないか。



キラはカガリのルージュを借りて宇宙へ。
…いや、あの、普通それがどこから飛び立ったかくらいザフトも監視していると思うんですが。オーブをザフトに攻撃されるネタを提供しているのはキラ、あんたじゃないかと。
無論都合良くザフトはそれを発見しない…そんなご都合主義なんかいらねーんだよ!

一方虎はガイアで出撃。
…待て! それはステラのだぞ! 返せ! てか、いつパクったんだ…。
ガイアをミネルバから運び出すシーンがあったが、あれがそのままエターナルに行っていたのかと思うと、ザフトはもう終わりだと考えて然るべき。崩壊しすぎですよザフト。



以下は省略する。
私が見たいのは恒久無限の正義でも、常勝不敗の衝撃自由でもない。
2分で25機の撃墜も、ただの機体性能としか考えられない。たかがそれだけのことだ。人間としての努力も強さもない、そんなものは見ていて爽快感も何もない。



「これでまた、僕は戦える」
そう所詮、暴力無くして君は立てない。
最高の装備を持たなければ君は戦えない。(ルージュじゃぼこぼこにされるだけ。それは真に強いと言えるのか?)
暴力がなければ何も出来ない、だから暴力をと願うのは、同じ過ちの輪に落ちていることを意味する。
守る力を「綺麗な」暴力と結びつけたい愚かさは、結局のところ何も解決しない。



最後にもう一度、旧約聖書からコヘレトの言葉を借りよう。
「私は改めて、太陽の下に行なわれる全ての虐げを見た。
見よ、虐げられる人の涙を。
  彼らを慰める者はない。
見よ、虐げる者の手にある力を。
  彼らを慰める者はない。
既に死んだ人を、幸いだと言おう。更に生きていかなければならない人よりは幸いだ。いや、その両者よりも幸福なのは、生まれてこなかった者だ。太陽の下に起こる悪い業を見ていないのだから。」 コヘレトの言葉4章1節~3節
最初から見ていなかった人は幸いだ。見ることを止めた人はその次に幸いだ。
だが私は、生きている以上生きていくのと同じく、この先を見続けていくのだと思う。生きているから。
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by gil-mendel | 2005-07-24 06:55 | seed-destiny
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議長至上主義。黒くて結構!
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